2011年12月24日土曜日

露頭情報:No.389; 国頭村大宣味(おおぎみ)村字塩屋


出典は「琉球列島四万十帯中の現地性緑色岩の産状と化学組成」岩石鉱物科学 第33巻(2004)
209頁 第1図:関係地域概略地質図 
210頁 第2図:沖縄本島北部西岸および座間味島のルートマップ 
211頁 第3図:各露頭の状況写真 
213頁 第1表:全岩化学組成
216頁 Ⅶ. 考察 1.産状から見た緑色岩の形成場
218頁 第9図:四万十帯の現地性緑色岩の分布と付加体形成年代
場所的には塩屋漁港北500m国道から海岸に下りた付近。地層は名護層の現地性緑色岩。下記よりもう少し北の道の駅手前で道路が海岸線に出たあたりが正しいかも?しれません。
下の画像は、図3の本露頭関係画像(f)では石灰岩(LS)と泥岩(BS:黒色粘板岩)が間に挟まれている状況が示されています。
 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu2.html?b=264045&l=1280605

露頭情報:No.387;京都市北区大森町


原資料には「京都市北区大森町北東約20km長谷(ながたに)川沿い林道」とあるのだが、果たして参考となる小さな地名から20kmも離れた場所を指定するのだろうか?と不審が先に立つ。
露頭のごく狭い範囲の地図が在るが、川の名前が特定できずに迷ったが、20kmの距離は余りに大きいので、2kmの誤記と考えるとこの地点付近が有力候補となる。20kmでは峠を越えてしまう。地質学雑誌なのに「査読無し」なのか? まゆつばものかもしれないけれど一応リストアップしておきました。出典は「丹波帯の枕状溶岩の K-Ar年代とその意義」。地質学雑誌 第90巻 第7号(1984) に掲載されているのでネットで入手可能です。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=350919&l=1354159

2011年12月23日金曜日

露頭情報:No.386;北秋田市阿仁 打当川支流早瀬沢(そうせ)


同じ「森吉山図幅」地域だが、此方は繋沢のかなり北の打当川支流の早瀬。此処も詳細は不明なのでゆっくり時間を掛けて露頭を佐明日しかなさそう。
確証は無いが早瀬川支流と記載されている「安全岩質変朽ち安山岩」の大又層中部が分布しているのはここから支流の長滝沢をかなり遡った場所だ。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=395360&l=1403126

露頭情報:No.385;仙北市西木町繋沢 国道105号


出典は産総研の「森吉山の地質」。古い資料だが何故かこれは手元に原本が在る。東北の山々を歩きながら行く機会に恵まれず、最近よくこの山の名前を聞く事が有るのでぜひ行きたい場所の一つ。
この地質図解説書に、「中新統 Ⅱ.5大又層(中新統) Ⅱ.5.1. 変朽安山岩質の部分(11頁):この部分は安山岩質,一部玄武岩質の溶岩および火山砕屑岩などからなり,熔岩には枕状熔岩とよばれるものがある。熔岩は変朽安山岩化し,火山砕屑岩はいわゆる緑色凝灰岩と呼ばれるような岩相を呈している。」とある。
幸い、繋沢は国道105号線が走っている。赤倉森の北側の繋沢付近はコンクリートの吹付が行われているのだろうか?
後何年露頭を歩けるか?少なくとも、この付近の露頭は歩きたいと言う思いが強い。
 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=395208&l=1403039

露頭情報:No.383;隠岐島後海苔田ノ鼻 鎧岩の放射状節理


枕状溶岩では無いのだが、フォッサマグナミュージアムの展示解説の様に、巨大ではあるが放射状節理を「世界一の枕状溶岩」等と解説する地質系(ジオパーク系?)展示施設もあるので、間違えて欲しくないので念の為「放射状節理」の露頭としてご紹介。
出典は、地質News 第454号6月号に掲載された「天然記念物特集・中国地方の天然記念物」
場所は此処。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=361935&l=1331908
島根大学のジオサイト情報に「海苔田の鼻」として掲載されています。
http://www.geo.shimane-u.ac.jp/geopark/noridanohana.html
此方が少し詳しいでしょうか?鎧岩の画像もあります。背後の松の木と比較して大変に大きな放射状節理だと言う事が理解できます。
http://www.geocities.jp/h2tvz/index31.html

いまだに「隠岐ジオパーク」のHPには残念ながらこの付近のガイド情報も掲載されていません。
http://www.oki-geopark.jp/modelcourse.htm
ジオパークの運動はまだまだ一部の推進者の方々の手に委ねられていて、幅広い地域の運動としては定着していないのでしょうね。
尚、下記から島根大学の地質学研究報告を中心に、例えば「隠岐島後西部におけるアルカリ火山岩類の層序:島根大学地質学研究報告(1985)」等の隠岐島後西部地域の水冷破砕岩を含む火山岩層序に関する文献は上記から閲覧できます。
http://www.oki-geopark.jp/document.htm
隠岐に関する文献を探すには面白いかもしれません。

2011年12月21日水曜日

露頭情報:No.382;佐伯市蒲江,愛宕山


出典は「蒲江地域の地質」この Ⅲ.3.2. 槙峰層の項に、「第21頁:(1)上下限を低角度の断層で境され,槙峰層の泥質岩層中に挟まれる大規模な塩基性岩で厚さ500m以上に達する.⇒第22頁:(1)のタイプの塩基性岩は主に枕状構造を持つ玄武岩溶岩と塊状の溶岩及びドレライトから構成される.
鏡山・森山・深島・津島畑山・愛宕山の各岩体が(1)のタイプに相当し,それぞれの山頂部を構成している.最大層厚は鏡山岩体で500m,森山岩体で450m程度と推定され,途中に頁岩や赤色頁岩を挟む。枕の重なり方から判断して,地層の逆転は認められない.走向方向に追跡すると,短距離で上下限を境する断層が接近するため塩基性岩も消滅する.」と記載されています。
詳細な露頭位置は判っていませんがこの山中に枕状溶岩を含む付加体の露頭が在る事は間違い無いでしょう。山頂の位置は
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=324805&l=1315439
地形図には登山道の記号は記載されていませんが、照葉樹林に挟まれた眺望の良くない登山道は在るようです。探すのは結構大変そうな山です

露頭情報:No_381;延岡市森山


露頭の位置は「森山:標高467.6m」付近とだけ判っているが詳細は不明。出典は地質図「蒲江地域の地質」この、Ⅲ.3.2. 槙峰層に、「第21頁:(1)上下限を低角度の断層で境され,槙峰層の泥質岩層中に挟まれる大規模な塩基性岩で厚さ500m以上に達する.⇒第22頁:(1)のタイプの塩基性岩は主に枕状構造を持つ玄武岩溶岩と塊状の溶岩及びドレライトから構成される.
鏡山・森山・深島・津島畑山・愛宕山の各岩体が(1)のタイプに相当し,それぞれの山頂部を構成している.最大層厚は鏡山岩体で500m,森山岩体で450m程度と推定され,途中に頁岩や赤色頁岩を挟む。枕の重なり方から判断して,地層の逆転は認められない.走向方向に追跡すると,短距離で上下限を境する断層が接近するため塩基性岩も消滅する.
と書かれているのみ。森山の位置は下記。登山道はしっかりしているので、この付近の地質図を見ながら歩けば・・・
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=324220&l=1314754

2011年12月19日月曜日

露頭情報:No.380;西海町猪ノ首鼻


前2項と同様に地団研専報の論文が出典。勿論、この論文にはこれ以外の露頭情報も含まれて居て、「長崎、露頭情報」のラベルでご覧頂ければ幸い。
もし、このブログをご覧になって露頭に行かれた時は、写真でも送って頂ければ幸いなのだが、「行きます!」と言うコメントは在っても、行きましたと言うコメントは火山の仲間以外からは全くないのが、このブログの一方向性の欠点か?(それで良いのだけれど)場所はこの付近で間違いないでしょう。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=330454&l=1294308

露頭情報:No_379;西海町横瀬西グランド


前項に引き続き、出典は入手が比較的困難な地団研専報第33号に掲載された「長崎県西彼杵半島北部~東彼杵地域における火山層序-特に枕状溶岩とハイアロクラスタイトについて-」これには  第一図:長崎県西彼杵半島北部~佐世保市南部~東彼杵地域の地質図および地質断面図, 枕状溶岩とハイアロクラスタイトの産状と構造等が掲載されています。
場所は「グランド」の位置が確認出来ないのだが、地名はこの付近。この論文は枕状溶岩のスケッチがとても美しい(下の図はこの露頭のスケッチ)のだが、位置情報が少し足りないと思うのは読者の横暴?
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=330505&l=1294209


露頭情報:No.378;西彼杵郡西海町銭亀


出典は少々入手し難い文献だが、「地団研専報第33号(1987)」に掲載された論文で「長崎県西彼杵半島北部~東彼杵地域における火山層序-特に枕状溶岩とハイアロクラスタイトについて-」 この  第一図:長崎県西彼杵半島北部~佐世保市南部~東彼杵地域の地質図および地質断面図,  Ⅲ枕状溶岩とハイアロクラスタイトの産状と構造」等に記載が在る。
此処には「銭亀では,コブル大の赤褐色~黒褐色の玄武岩質火山角礫岩~岩滓凝灰岩の上に弱い板状節理を示す溶岩が発達している。58頁 松浦玄武岩類Ⅱ a横瀬玄武岩類。従って此処は水冷破砕岩だが、水冷破砕岩の付近には枕状溶岩が存在する事も多いので念の為リストアップした。
地名から言って場所はこの付近でしょう。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=330448&l=1294240

2011年12月18日日曜日

露頭情報:No.377;宮城県柴田郡川崎町本砂金(もといさご)川三方倉山南側


出典は、前の2項と同様に岩石鉱物科学 35,に掲載された論文「東北本州弧、磐司岩火山岩類の地質と岩石」。この58頁に磐司岩火山砕屑岩部層, 60頁:10数cm~数10cmの楕円体又は球状の同心円ピローと・・と記載されている。
岩質は複輝石安山岩質。地層は磐司岩火山岩類・Ⅱ噴出物・本砂金火山砕屑岩部層下部層に相当する。詳細は前項のに記載した「日本鉱物科学会」の
岩石鉱物科学誌掲載の論文を参照下さい。場所はこの付近でしょう。もう少し奥に入るかもしれませんネ。素人には難しそう。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=381531&l=1403305
尚、その後改めてこの論文を読み返して地図をチェックすると、この付近は他にも露頭があるので、437-439に再度追加分をリストアップしています。
年内に露頭情報の掲載を終える積りだったけれど、まだまだ数か月は掛かりそうですね。

露頭情報:No.376;仙台市太白区秋保温泉磐司岩大行沢


出典は、前項と同じ岩石鉱物科学 35,に掲載された「東北本州弧、磐司岩火山岩類の地質と岩石」。この58頁に磐司岩火山砕屑岩部層,60頁には10数cm~数10cmの楕円体又は球状の同心円ピローと・・ の記載が在る。62~64頁:全岩化学組成一覧表もあるので、詳細はネット検索で原文を入手してよく読んで下さい。場所はこの付近でしょうか?
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=381706&l=1403102
論文は下記から無償で閲覧できます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/gkk/35/2/_contents/-char/ja/

露頭情報:No.375;仙台市太白区秋保温泉奥磐司岩・穴戸沢


残念ながらこの露頭はシュードピローだと指摘されています。仙台市内にまくら状溶岩の候補地があるとは驚きですが、仙台の有名な奥座敷・温泉地である「秋保温泉」周辺には、有孔虫化石が残る凝灰岩「秋保石」が分布しており、更に川を遡ると「磐司岩」と呼ばれる場所が有り、この付近に
幾つか枕状溶岩があります。
出典は、岩石鉱物科学 35,に掲載された「東北本州弧、磐司岩火山岩類の地質と岩石」。この57頁に「穴戸沢火山砕屑岩部層 凝灰角礫岩は・・部分的にジグソー角礫を含むほか,径3mの偽ピローと・・・ 更に62~64頁:全岩化学組成一覧表」が掲載されています。
場所はこの付近。車が無いと此処まで入るのは無理でしょうね。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=381622&l=1403148

今週は今年最後の仙台出張があるので、帰りに少し時間を取って秋保温泉の手前に在る凝灰岩の石材を採掘している丁場を見学出来ないものか?思案していますが、仕事がまず優先ですから・・・ それで、出張前に磐司岩付近の露頭情報を片付けておこうと考えた次第。

露頭情報:No.374;下仁田町茂垣 稲含山-黒内山

2012年5月20日追記
最近入手した「下仁田自然学校文庫⑤下仁田町と周辺の地質」第31 稲含山の項には、
1.茂垣峠~大鳥居:稲含山の登山口になる茂垣峠や、峠から大鳥居までの林道・登山道には緑色の御荷鉾緑色岩類が顔を出しています。・・・峠の北西、茂垣の沢には緑色岩の中に枕状溶岩の露頭が見られます。と記載され画像もあります。この書籍は旧青倉小学校跡に解説された資料館で購入が可能です。(確か1200円だったと思います)

ここは興味深い岩石が分布していて、なんとか行ってみたいと考えて居るが実現しないまま月日が過ぎている。数年前は火山の友人たちとoff会を企画したが直前に腰痛の再発で中止してしまった。
最初に出会った文献は、日本地質学会第111学術大会講演 論旨:「関東山地下仁田地域ヒスイ輝石岩体の地質構造と岩石学」。此処に「蛇紋岩を伴わない。上下判定が可能な部分がある。」と書かれている。他にも興味深い文献が存在して関係文献を参加予定人員分用意までしていたんだが残念。当時調べた文献は下記 いずれも記述は簡略過ぎて露頭の正確な位置を示すものは無い。
関東山地跡倉ナップ,緑色岩メランジュ中の角閃岩塊のK-Ar年代
関東山地北縁部小川町~神泉村地域の緑色岩メランジェ
関東山地黒内山超塩基性岩体の自然鉄 論旨
関東山地三波川帯黒内山超苦鉄質岩体の跡倉ナップへの帰属 論旨
関東山地三波川帯西縁部より発見されたヒスイ輝石を含む岩石について 論旨
露頭はハッキリしないがこの付近を探すつもりだった。一人では無く5-6人もいれば結構面白いものが見られたのではないかと思って居る。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=361042&l=1384951
稲含山はこのやや南。名無しの1112mが黒内山。鞍部に在るらしい・・・

露頭情報:No.373;男鹿半島門前北方舞台島付近


出典は「火山 第2集,第32巻 第4号」に掲載された「男鹿半島の下部グリンタフ火山岩相と寒風火山」とは言え、この文献は口絵解説部分で、公表されているpdfファイルには画像が付属していないし、位置情報も明らかではない。舞台島の位置は下記
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu2.html?b=395217&l=1394424
英文だが、2008年の「大陸縁辺の後期更新世火山活動:東北日本男鹿半島,かぶき岩の火山岩層」や、此方は報文の地質学雑誌(2010)に掲載された「東北日本,男鹿半島西部の後期始新世―前期中新世平行岩脈群」が参考になりそう。
舞台島付近には長楽寺玄武岩も複雑に入り組んでいるが、アア溶岩と共に枕状溶岩が分布する事が後者の文献に記載されている。勿論、地質図も掲載されている。