2010年12月11日土曜日

下田市板見漁港(14)海側露頭

前の画像のスケールに置いた1円硬貨の部分に近付いてみました。枕と枕の間を隔てているのは沸石か方解石でしょう。夫々が枕状溶岩の個体であれば、硬貨の下側にある緩い円弧上の縞模様は二つの溶岩にまたがって綺麗に連続する事は無い筈です。
勿論、中には何処を切っても桃太郎の顔が出てくる飴の様に、枕状溶岩が自然の力でスライスされる事も有りますが(2009年9月28日の項。埼玉県横瀬町曽沢川二の瀬橋上流等)、これは違うようです。

2010年12月10日金曜日

下田市板見漁港(13)海側露頭

今度は露頭の上の面を観察して見ましょう。とても「枕状溶岩的」に細長い岩体が密に並んでいます。しかもその岩体の間には細い沸石らしい脈が通っています。「枕状溶岩」と判断するにはとても良さそうな画像です。私も最初は随分綺麗に枕状溶岩が平行に並んでいるな!と驚いたものです。実はこの画像でもこの部分が枕状溶岩ではない事が判断出来るのですが、画像の真ん中よりも少し右手の上方向にスケール代わりの1円硬貨を置いています。次にこの硬貨の附近の拡大画像を見て頂きます。

2010年12月9日木曜日

下田市板見漁港(12)海側露頭

少し離れた画像ばかりでしたので、今度はグッと近付いた画像を見て頂きましょう。丸く光っているのは1円硬貨です。前の画像の黒い手帳の直ぐ上の附近の接写・拡大画像です。岩質はやはり溶岩なのでしょう。気泡の多い部分とそうでない部分が左右に繋がっています。手前が露頭面です。白いのは長石の斑晶でしょうか?気泡はこの部分では沸石やメノウ等によって塞がれて居ない様ですね。表面を見ていると砂岩かと思うばかりにざらざらしていますが、気泡の列が多いのでやはり溶岩でしょう。海水や風雨に長期間晒されているので、チョット見ただけでは判り難くなっています。

2010年12月8日水曜日

下田市板見漁港(11)海側露頭

少々クドイぞ!と言われそうですが、この手帳の右上側を見ると、露頭平面と平行な構造が良く判ります。他の部分も割れ目(節理ではない)を超えて構造が繋がって居るのが良く判ると想います。白浜層群が浅いながらも海底の地層だと言う概念が頭に入っているからこの露頭を見た時に、枕状溶岩と決め付けたのでしょうが、手前に見える「断面」を見ても表面に直角に「放射状節理」が発達しているとはとても言えない事が判ります。

2010年12月7日火曜日

下田市板見漁港(10)海側露頭

この画像では中央よりやや右の下の方に注目して下さい。縦に色が他とは異なる部分が幾つかの岩の割れ目を通して繋がって居るのが判ります。
しかも、こちら側に見えているのが枕状溶岩の断面だと仮に仮定すると、枕状溶岩の構造が手前から奥へと繋がっていなければならないのに、手帳の部分でも判断出来る様に構造が此方に向いている面と平行になっています。どちらも枕状溶岩では有り得ない構造です。

2010年12月6日月曜日

下田市板見漁港(9)海側露頭

ピローブレッチャーが積み重なっている図と見えない事も無いかもしれませんが、右側から左側に向うに連れて斜めに上がる全体の構造が見えると思います。黒いフィールドノートの高さで中央から右側を見ていただくと、この部分が一番判り易いのですが、ピローブレッチャが並んでいるのでは無く溶岩の構造が斜めに繋がって居るのが見えます。残念ながらハンマーで叩いていませんので岩質が「溶岩」なのか「凝灰質砂岩」なのかイマイチハッキリしないのですが、何れにせよ偽でも真でもなく「枕状溶岩」を構成している様な急冷縁も無く、ひび割れの部分で構造がブツッと断ち切られて隣に繋がっています。
二枚目の画像はその部分をトリミングしたものです。
尚、私のもう一つの地質系画像主体のブログである「岩石と土の表情」をご覧頂くと、この板見漁港の三穂ヶ崎地区の不思議な侵食模様をご覧頂けます。風雨や波の力を受けて現れる岩石表面がと枕状溶岩の表面が見せる表情とを理解するには面白い露頭画像だと思っております。ご覧頂ければ幸いです。

2010年12月5日日曜日

下田市板見漁港(8)海側露頭

露頭と対面して一番左側の部分です。砂層に溶岩が乗り上げたと言うような雰囲気ですね。念の為この附近の画像もご案内しておきます。
「底痕」と呼んでも良いのでしょうか?砂層の部分が溶岩に焼きついたのか滑らかな形状が特徴です。本来ならば溶岩の凹凸が現れても良さそうな雰囲気ですが何故でしょう?