2011年4月9日土曜日

東北太平洋沖地震:13;震源深さの時系列分布

気象庁の地震データは今日は1日分のみ追加公表でやっと先月23日分が出て来た。1日あたりの地震でータ数も103個程度なので、もう少しまとめて公表して欲しいものだ。公表されたデータを先日のグラフに追記したが目だった変化は無いので、深さ方向にはどのような変化が有るのか無いのか?グラフの形式を変えて時系列はそのままに深さ方向でチェックすると共に、発生件数の多いマグニチュード5-5.9の地震について深さを20km区切りで累積発生数をカウントしてみたのが上のグラフ。
目盛は基本的に深さ方向を“km”単位で示すが、折線グラフの深さ別m5-5.9の地震累積数に対しては当然“発生回数”。
浅いといっても2万メートルより浅い場所が流石に一番多いが、チョイト気に成るのが深度40km以深でのM5-5.9の地震が多少の変化は示しながら定常的に発生している事。早くもっと減少して欲しいものだ。データの公表ももっと速く出来ないのかな?
桜島の爆発的噴火も今年272回に達している噴火と合せると340回だ!

東北太平洋沖地震:13;東京電力HPに見る情報の閉鎖性

東京電力福島原子力発電所の事故に関連して、東京電力のHPをご覧になった事があるだろうか?ネットで原発事故の詳細を知ろうとしても、出典不明のブログや様々なマスコミ報道には接する事があるが、記事の表題から東京電力のHPにアクセスしようとするとは中々旨く行かない。つい、東京電力のHPに直接アクセスして、東京電力>原子力情報>福島第一原子力発電所>プレスリリースと見ていくと、項目別に整理された記事が並んでいると思うのだが、マスコミの記者連中は文句を言わないのか?殆ど同じ文言の表題がずらりと並んでいるばかりで、新聞なので報道された内容がこのプレスリリースのどの項目に書かれているのか全く判らない状態である。記者連中と東電がツルンで一般人がまともな情報にアクセスしようとするのを阻んでいるのか?などと思いたくなる。なんで、夫々のリリースの内容が判るように発表しないのか?どこぞの教育委員会のやり方と全く同じ!官僚の発想なのでしょうね。
一度、この画面を開いてご覧になりませんか?⇒この頁は消滅しました!

開いて驚くのは、何れも同じ文章が延々と続いて、新たに追加されたのは下線を引いた部分だけらしい。pdf3頁に対してたった2行が2箇所しかないなんてのもある。
地震後の緊急停止直後から冷却水レベルが低下していた事が発表されえていたとの報道が在ったので、時系列にどのような変動状況だったのか?知りたくて探してみたのだが、見付からない!

露頭情報:No_010;上田市菅平口

長野県上田市(旧真田町)菅平口の枕状溶岩は2009年11月20日から25日までの期間に画像を掲載しています。上田市から国道144号を菅平に登ると、途中で406号が菅平方面に分岐している。分岐した菅平方面への406号は渋沢川の右岸の崖を登っていくが三叉路から大して走らないうちにカーブの手前に左に分岐する廃道がある。それとは判らない程度の小さな橋の手前。この廃道の入口(進入禁止の看板は今も在ると思うが)に駐車し、後は徒歩で行くと急カーブの先の左手崖に露頭が在ります。廃道は落石と雑草で歩き難いと思いますが比較的綺麗な露頭でした。この附近は猿もいるのでご注意を。場所は下記をコピペでどうぞ。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=362939&l=1382137
参考資料は真田町教育委員会のHP
http://museum.umic.jp/map/document/dot138.html
此処には「八木健三博士の鑑定によると擬枕状溶岩(偽枕状溶岩?)とするのが正しいという。」と言う脚注がありますが、その論拠・論文が判らないので此処では枕状溶岩として扱います。
八木健三氏のnkysdbは下記
http://staff.aist.go.jp/miyagi.iso14000/Works/Review/coop/0001/555.html
ひょっとしてこの論文に書いてあるのかな?と思いながらずぼらを決め込んでまだ拝見していません。
八木 健三!飯島 南海夫(1953),苗場火山とその近傍の地質(予報),信州大学教育学部研究論集, ,3,219-236,信州大学教育学部

2011年4月8日金曜日

東北太平洋沖地震:12;震源の時系列分布(4)

気象庁の地震データ公表のペースが上がり、今日は22日までのデータが公開になりました。マグニチュード5以上の地震が想像以上に多いのに思いが至り、これまでのグラフにM5-5.9、M>6、(M5-5.9)+(M>6)の3本のグラフを追加してみました。青い線は右側スケール、左側は北緯を現しています。昨日の地震はかなり揺れが激しく何れ大きな余震が来るとは思いながら多少舐めていた処も有り驚きました。全体的な地震発生数は減っていますが、まだまだ大きな余震が辛いですね。

露頭情報:No_009;万場高校下河床

群馬県万場町万場高校下河床一帯に枕状溶岩の露頭が分布している。2009年10月20日から29日までのブログで画像をご案内している。場所は神流川の生利大橋の上流、万場高校の対岸となる右岸側に多く分布するが、川の水量が多い場合は左岸から双眼鏡で対岸を観察し、実物は生利大橋付近で済ます手も在る。
右岸側は生利(しょうり)大橋の袂に河床に下る階段があります。藪漕ぎと水量が少し増えると水の中を歩く事になるがヤヤ上流の道路下の露頭が良い。駐車スペースは少し苦労する。
左岸側は河床近くまで下る道が結構有るが、これは鮎漁の為らしいので、鮎漁が行われる時期は遠慮したい。尚、この露頭では長靴と双眼鏡は必須アイテムです。
ここの露頭については余り資料が無い。群馬県立博物館のデータも何時の間にかリンク出来なく成ってしまったようだ。日曜の地学・群馬の自然をたずねての38-39頁に、生利大橋④の項目があります。この項目で「この露頭の上の部分には暗緑色の塩基性凝灰岩層が見られますが・・・」とある辺りが枕状溶岩の露頭でもある。尚、39頁の図7-6「柏木層の見学案内図」附近は道路改良で庚申塔は目立たなくなって居るがバス停の裏に駐車スペースが在る。
インターネットでは埼玉県高等学校理科研究会地学研究委員会の「みどころハンドブック」に紹介されていたのだが現在は見る事が出来ないのだろうか?7
http://saitamachigaku.jp/
日本火山の会では下記に巡検記録があるが、余り詳しくは記録していない。ゴメンナサイ!
http://www.kazan-net.jp/off/0708mikabooff/0708mikabooff.html
場所は
さて、これは凝灰岩でしょうか?緑色岩でしょうか?

2011年4月7日木曜日

東北太平洋沖地震:11;震源の時系列分布(3)

気象庁の地震データ公開の速度が少し回復したようで、20日までの地震データが公開されましたので、時系列に地震分布を整理してみました。今回は南側の震源空白域が気になるとの発言が有り、北緯34度から40度までの範囲に広げました。折れ線は右目盛で6時間辺りの地震発生数です。尚、東経は137度以東のデータを3124をプロットしています。しかし何時までも余震が続きますね。千葉県でもまだまだ夜中は目が覚める事がありますね。

東北太平洋沖地震:10;水ガラス

高濃度汚染水の汚染水が海に流れ出したのを辛くも止めた「水ガラス」。この原料は実はオーストラリアから来ています。数十年前に公開された「渚にて」と言う核戦争で地球が放射能に汚染され、最後に潜水艦がオーストラリアに辿り着き生存者と廻りあう様な、細かい事は忘れてしまったが妙に印象に残る主題歌が今でも忘れる事が無いのです。先日、止水が成功した事を聞いて、フットその主題歌が口笛で出て来てしまった。
今回、止水に使われた「水ガラス」は、オーストラリア産の珪砂と塩(海水からの塩)と、秋吉台近くの石灰岩から出来ている化学製品なのです。
このブログは、「枕状溶岩」と言う地質学的にも極めてマニアックなテーマを扱うのがメインなので、今回活躍した「水ガラス」を、その生産現場の側に居る人間として地質学的に話題に取り上げさせて頂く。「水ガラス」の主原料は「珪砂」。日本でも伊豆半島の宇久須鉱山が国内最大の産地としてガラスの製造を下支えしたものだ。珪砂は水晶と同じものなので、トローリとした粘性の「水ガラス」に仕上げるには、高温で溶融するだけでは駄目です。
下記は㈱トクヤマ(旧:徳山曹達)殿のHPでその製造工程を示します。
http://www.tokuyama.co.jp/company/business/transform/soda.html
「ソーダ・塩カル製造フロー図」の右端の黄色の2番目に「珪酸ソーダ」とあります。これが水ガラスの元の固形物。珪砂とソーダ灰を高温で反応させる為、鉄の精錬を行う「平炉」の様な設備で確か1000-1200℃程度の温度で溶解・反応させます。これを、炉から細い溶岩流の様に静かに流しだしながら高温に耐える金属製のコンベアで、取扱いしやすい大きさに整形し冷却します。出来上がった半製品を「カレット」といいます。この工程は通常は見学が出来ませんので、当然写真を撮影する事も出来ないので残念ながら画像はありません。
「カレット」はこんな形状です。一つ一つは50x35x30mm程度の大きさです。

露頭情報:No_008;西予市中久保林道

四国カルストの下部に緑色岩が谷沿いの林道に面して露出しているらしい。海底火山の上にタヒチ等の様な環礁が発達して石灰岩台地を作ったと言う典型的な構造が見られる場所らしい。基本文献は、岩鉱1994年89号の373-389頁。これはネットで無償で入手出来る。「岩鉱」で検索して(頁上部の検索では出て来ないので)画面一番下までスクロールして「アーカイブ巻号一覧」から1994年のVol.89 の+記号をクリックし、No_10(p373-) をクリックすると「四国カルストの緑色岩類 中国帯,秋吉,帝釈石灰岩 第地の基底緑色岩類との岩石化学的対比」をDL出来る。P374 Fig.1に地域地質図が、Fig.2にルートマップが示されている。場所は 
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=332914&l=1325338
カルスト台地から下りながら谷川の右岸から橋を渡って左岸に移るのだが、その左岸側に移った場所以降が緑色岩らしい。手元に原本が無いが「日曜の地学シリーズ 愛媛の自然を訪ねて」にも紹介されている。
この地域の枕状溶岩については下記の頁に示されている。目次の表題が(枕上溶岩)と書かれているのが惜しい!!!⇒このブログをご覧になったのか?表記が正しく訂正されていました。
http://www1.tecnet.or.jp/clubgeo/shikoku/pillow.htm

尚、飛ばしてしまったNo_007 は岩手県久慈市深田沢の沢山川層なのだが今ひとつ場所が特定出来ていないので省略した。地質図にも記載されているし、岩手県立博物館のHPにも掲載されているので、存在は間違いないのだが・・・博物館のこの露頭についての頁は 
http://www.pref.iwate.jp/~hp0910/korenaani/g/124.html
他にも地質ニュース・地質学雑誌・東北大学地質古生物研報等文献は多い。

2011年4月6日水曜日

露頭情報:No_003;根室市花咲岬

ここも大変に有名な露頭なのだけれど、何故か「車石」が間違って「枕状溶岩」と思われてしまっている残念な場所なのです。
車石を見て、放射状節理と言うのは間違いです。行った事が無いので細かい事は判らないけれど、車石は言ってみれば中年太りのおっさんの腹に出来た「たるみ」の部分。本物の枕状溶岩はどうやらその下に折り重なっている。参考になるHPとしては
北海道大学和田恵治研究室の「秋の地質巡検 道東の大自然を知る」。以前は解説が在ったと思ったが、今は画像だけが外部公開?
http://202.252.170.6/research/staff/wada/std/02DOTO.html
比較的入手し易い巡検案内書としては北海道大学図書刊行会の「道東の自然を歩く」第三章に花咲岬の項が在り,解説が10頁あります。

2011年4月5日火曜日

露頭情報:No_006;伊平屋島の誤報


ある地質系のHPで伊平屋島に枕状溶岩が在るとの情報と画像が掲載されていた。なんとなく胡散臭い画像だったけれど、地質コンサルタントだと言うHPオーナーの情報なのだから!と思っていたが、念の為に「1/50,000 伊平屋島地域の地質」を調べて見た。
Ⅳ 岩脈(レータイト)(P12)の項に、「分布」 伊平屋島の腰岳の西方山麓が海岸に接するところから海岸線に沿って南西方向に,約360mにわたって点在する(第10図)層状チャート中に貫入した岩脈と考えられる。
「岩相」 露出している幅は最大5m前後で,その南東側は, おそらく層状チャート中に貫入した際にブロック化し,その後の風化で一見したところ枕状溶岩のような産状を示す。(第11図)。しかし枕状溶岩特有の組織は認められない。隣接するチャートへの熱的影響は肉眼では確認できない。とある。現物を調べた訳でもないけれど、やはり産総研・地質調査センターの地質図を信用したい。
久し振りにネットで検索するとまだそのHPは健在で似たような記事が増えているので念の為そのHPの画像を品の無いやり方だけれど、勝手に引用して紹介させて頂く。
遠景はやや似た雰囲気も在るが、近接撮影した画像の方(下)は亀甲石に似ていて、とても枕状溶岩の冷却節理とは言えない。

2011年4月4日月曜日

露頭情報:No_001;鴨川市青年の家

余りにも有名な場所だし,画像も幾つか紹介しているので飛ばしても良いかな?と思ったがやはり、場所がハッキリしている露頭は全部ご案内しておいた方が良いと思い直した。
私が此処を初めて歩いたのは2004年頃だと思うがハッキリしない。2005年には火山の会の皆さんと一緒に観察会を開かせて頂いた。皆さんとは2008年には再訪している。下記にはその記録が有る。アドレスは全てコピペで!
http://www.kazan-net.jp/chibajunken/chibajunken.html
http://www.kazan-net.jp/off/0804mineokaoff/0804mineokaoff.html
巡検資料としてお勧めは現在東北大学に居られる平野直人さんの書かれた「房総半島嶺岡巡検ガイド」
http://www.f2.dion.ne.jp/~nhirano/mineoka.html
首都大学東京の大石さんのHPはテフラの解説もありこれもお勧め。
http://ooisivolcano.cool.ne.jp/magmas/boso.htm
このブログでもかなり画像をご案内しています。この附近から前の画像を参照下さい。
http://akashi1945.blogspot.com/2009/10/10.html
http://akashi1945.blogspot.com/2009/09/blog-post_09.html
道路のコンディションは余り良くないが嶺岡林道も興味深いので,時間が在ったら是非歩いて頂きたい。但し,自衛隊のジープに機関砲を乗っけたコンバットチームに遭遇しても騒がない事。文献は山ほどある。
久野久先生が「火山」に書かれた「水中自破砕溶岩」,地質学雑誌の例えば「嶺岡帯のピクライト玄武岩およびソレアイト質玄武岩類」他。尚、裏の国道トンネルは蛇紋岩地帯で手に入り難いかもしれないが,トンネルと地下,1972年3月号に記載された「蛇紋岩トンネルの施工」が興味深い。施工は清水建設。

2011年4月3日日曜日

東北太平洋沖地震:9;原発汚染水の漏洩

自分の興味を引かれる地震関連の記事を記載していたら,何時の間にか本来の枕状溶岩の露頭に関する記事よりも、地震関連記事のヒット数が増えている。喜ぶべきか!がっかりする場面か!
福島原発で,高濃度に放射能に汚染された水が海に流れ出して居ると言う。今日は高分子吸水性樹脂を投入したらしいが結局効果は無かった様だ。漏水箇所が亀裂では無くて「孔」が開いている雰囲気なのが不思議なのだが・・・(110404追記:亀裂との事だが周囲からの漏水が見えないのが不思議。或いは初めから施工していたピットの排水孔ではないのか?ならば3B?他のケーブルピットに繋がっていれば1箇所を塞いでも他からの「排水」は止まらない。)。画像にスケールが無いので確かな事は言えないけれど,画像を見る限りは少なくとも100-200L/min程度の(時間当たり6-12立方メートル程度)の水量だと思われる。孔の径は平均口径で50mm程度だろうか?もっと大きいのだろうか?こんな流速で(0.8-1.6m/s程度?)の場合に,吸水性樹脂で効果が在る筈が無い!一体誰がこんな提案をするのだろうか?と思うと腹が立つ!と言っても後だしジャンケンでしかない。
随分昔の話だが,トンネル発進時に凄まじい水量の漏水が始まって一進一退。薬注で水を止めようとしても,ゲル状の固化材が細い水道(みずみち)から噴出してくるのを観ながら,排水ポンプ能力との戦いでシールド掘削機が水没するか?発進出来るかの瀬戸際で,発進縦坑の垂直の梯子を上がったり(待避),降りたりしていた事がある。
コンクリートを一時に大量に投入しても止水出来ないのは,粘性が無いから水道を止められないからだろうと思う。
ゼネコンはどうしているのだろう。シールド工事で行う裏込材のような水に強く粘性が適度に有り,初期強度が直ぐに上昇する様な材料を投入しなければ,この様な条件での止水は出来ないと思うのだが・・・所詮、ブログの遠吠えに過ぎないか!

露頭情報:No_005;函館市戸井漁港

最初に参照したHP(北海道大学)が何時の間にか無くなっていましたが、新しいアドレスでHPが立ち上がっていました。渡島半島の自然を訪ねて>函館市(旧戸井町)>戸井築港の真珠岩と流紋岩の項目です。
画像もあります。
http://nature.blue.coocan.jp/toisinjyugan.htm
ウオッチ図ではこの附近でしょうか?
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=414314&l=1410120

隣町になるのでしょうか?渡島半島を少し北に登った南茅部町にも枕状溶岩の露頭が在りまして、このHPの露頭の画像下に「関連項目」として「南茅部町 黒羽尻岬の枕状溶岩」というのがそれです。私のデータベースでは No_049 で登録しています。
http://nature.blue.coocan.jp/minamikayakurohaziri.htm
黒羽尻については南茅部高等学校理科部の2001年度研究テーマ中にこの露頭の紹介があります。火道の様相を示す部分と火山弾を含む集塊岩の部分が在る様なので忘れずに両方を観察して下さい。
http://www.infosnow.ne.jp/~w_teru/konbu/rikabu/2001.htm
更に獅子鼻岬の「菊花状節理」と言うのが怪しくて、小生は勝手に枕状溶岩の放射状節理じゃないかと考えています。