2011年8月27日土曜日

焼津市虚空蔵:No.037-18

海岸の礫浜で近付き易い場所にもこのような貫入岩がある。よく見ると二層になっているようだ。貫入も複雑な形成過程を踏んだのだろうか?
貫入岩を詳しく見る理由は、この露頭を観察した時期だったと思うが、東北の黒石等では貫入岩の先端部が枕状溶岩になっている例が報告されているので、その様な例がないか?探そうという気持ちが強かったかだなのだが、この貫入部分にも周囲の枕状溶岩とは岩質が異なる枕状溶岩が見られる。なるほど、考えてみると、噴出経路を形作るフィーダーダイクと言われるものも、ダイクも要するに噴出することが出来たか、地中に留まったか?の違いでしか無いのだから・・・

露頭情報:No_177;米水津村松切鼻対岸の押出ノ鼻北西

参考文献は「1/5万 鶴御崎地域の地質」の「四万十累層 槙峰層」関係の記載を参照。18頁 第20図:槙峰層の枕状溶岩の産状(米水津村押出ノ鼻北西) 第21図:第20図のクローズアップ 19頁 第22図:槙峰層の枕状溶岩中の枕の周囲を埋めた方解石 等が記載されている。
詳細の記述は無いが露頭位置は下記付近と考えられる。詳細は資質図を参照ください。
 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=325422&l=1320035

露頭情報:No_176;佐伯市尾浦

参考文献は「大分地質学会誌1996年No.2: 大分県南部四万十帯中の枕状溶岩」。3頁 蒲江町北方の尾浦においては、下位から枕状構造をもつ玄武岩溶岩、玄武岩質凝灰岩・赤色泥岩あるいは凝灰岩とチャートの互層・・・移り変わる関係が報告されている。4頁 第1図:枕状溶岩の典型的な形態と特徴」等が記載されている。
残念ながらこの露頭については詳細な情報が記載されていないので、下記付近を調べてみるしかない。
  http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=325160&l=1315820

2011年8月26日金曜日

露頭情報:No_175;佐伯市鶴見町中越

参考文献は「大分地質学会誌1996年No.2: 大分県南部四万十帯中の枕状溶岩」。7頁 第2図:県南海岸部における枕状溶岩の露頭ポイント。
「大分県佐伯地域に分布する四万十層群の海底地すべり堆積物」 にも同様の記載有。具体的には、「鶴見町中越:地点⑤: さらに東へ行くと道路脇に暗緑色の幅5mほどの岩体があり、枕状構造がはっきり確認出来る。更に東へ行くと枕の裂け目から噴出した熔岩が直径8mほどの柱状になって居るのが観察出来る。」とある。露頭付近の地層は「四万十帯・蒲江亜層群・槙峰層或いは中越層」。従って露頭位置は下記付近と想定する。
 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=325603&l=1320031

焼津市虚空蔵:No.037-17

岩壁に現れた貫入岩の状態を少し拡大したものです。弱い部分を狙って様々な場所に出現し、旨く裂け目を作れたら一気に幅を広げるのでしょう。

露頭情報:No_174;佐伯市米水津松切鼻

参考文献は「大分地質学会誌1996年No.2: 大分県南部四万十帯中の枕状溶岩」この7頁 第2図:県南海岸部における枕状溶岩の露頭ポイント。6頁 各露頭における枕状溶岩と付随する岩石 4.米水津村松切鼻」がある。
具体的には「地点④灯台の土台となっている塩基性岩にも枕状構造がみられる。」と書かれているので、露頭位置は下記と思われます。尚、この地点の地層は「四万十帯・蒲江亜層群・槙峰層」
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=325358&l=1315944

2011年8月25日木曜日

焼津市虚空蔵:No.037-16

23日にご案内したNo_37-14の画像の周辺の状況画像です。ハンマーを添えている部分が23日の画像。他にもちらほら貫入岩が見えるので、この奥には大きな岩体が潜んでいうるのかもしれない。空洞に見える部分は貫入によって構成されたものかもしれない。

露頭情報:No_172;佐伯市楠本

資料は「日豊海岸地域の地質(論文)」露頭所在地については佐伯市(旧蒲江町)楠本:地点② 蒲江町の楠本湾の南岸、小金地域の海岸に2箇所の岩礁がある。干潮の時には渡れる・・表面は黄褐色を呈し貝殻が付着しているが・・・」とある。
地層は「四万十帯・蒲江亜層群槙峰層」。露頭位置は恐らく下記付近と思われます。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=325010&l=1315712

露頭情報:No_173;佐伯市江武戸鼻

この露頭については「大分地質学会誌1996年No.2: 大分県南部四万十帯中の枕状溶岩」。第7頁 第2図:県南海岸部における枕状溶岩の露頭ポイント 6頁 各露頭における枕状溶岩と付随する岩石 3.蒲江町江武戸鼻
具体的には「江武戸鼻の神社から出て北向きに歩いて50mほどの所から200mほどの連続露頭が・・・」と書かれているので、露頭位置は下記を推定している。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=325051&l=1315739

露頭情報:No_171;佐伯市蒲江浦

大分県佐伯市には多くの露頭があります。
資料は「日豊海岸地域の地質(論文)」大変多くの露頭情報が記載されている。この露頭は「30頁 10.横島・沖黒島・屋形島・深島の地質構造 (4)深島 (2)深島の塩基性火成岩類:東の浜では枕状溶岩が認められる。・・深島では直径が5~10cmの枕状溶岩が多く小型である。熔岩の破片からなるマトリックスの部分が多くなったピローブレッチャへと移り変わっていく。」とある。
「蒲江地域の地質」:22頁も参照の事。露頭の含まれる地層は「蒲江亜層群槙峰層」。露頭の位置は下記付近と思われます。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=324320&l=1315542
この資料はインターネットでは閲覧出来ないかもしれない。小生は産総研の地質情報センター内にある図書室で閲覧しコピー(有償)を作成した。
大分県には興味深い地質が多く存在する。

2011年8月24日水曜日

焼津市虚空蔵:No.037-15

転石の中に貫入岩と同じく、ほぼ無斑晶のものがありました。

露頭情報:No_170;下田市板見漁港

この露頭については既に小生のブログでも画像を多く紹介しているが、発端は「静岡地学」に掲載された巡検報告。添付された画像とその説明が記述がどうも腑に落ちないので現地を歩いてみた。
この付近の露頭については2010年11月28日から12月28日末までに画像が在ります。勿論、枕状溶岩ばかりではありませんが・・・ http://akashi1945.blogspot.com/2010/12/blog-post.html
この地域の地質についての参考文献は直接的記述は無かったかもしれないが「地質学雑誌 第91巻 第1号:伊豆半島南部下田周辺の地質の再検討―堆積盆の変遷、火成活動と熱水変質作用―」。 57頁の表1に岩石の化学組成測定結果が記載されている。
詳細はブログの画像をご覧頂ければ幸い。漁期には漁港に車を乗り入れるのは遠慮したい。偶に海水浴に来られた方々がバーベキューなどをやっておられる。
この露頭を訪ねるときは、少し時間に余裕をもって、漁港の北側に続く海岸の付近も是非歩いて頂きたい。枕状溶岩では無いが興味深い露頭が沢山在ります。

露頭情報:No_169;沖永良部島和泊美瀬浜(国頭岬南)灯台付近

参考文献は「鹿児島県地学会誌No.87 露頭紹介: 沖永良部島美瀬浜のスランプ層と枕状溶岩」。30頁 第1図:沖永良部島の地質  32頁 第4図:枕状溶岩 見瀬浜の北端にある灯台附近には、塩基性火山岩類や珪質な黒色頁岩などが分布している。塩基性火山岩類の中には玄武岩質溶岩があり、見事な枕状構造を呈している。・・枕の長径は50~100cmと大きく隙間を埋めるハイアロクラスタイト基質は乏しく、発泡構造は余り見られない。」と書かれている
枕状溶岩は玄武岩質で露頭を含む地層は根折層。露頭位置は下記付近と思われます。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=272601&l=1284241

2011年8月23日火曜日

焼津市虚空蔵:No.037-14

引き続き貫入岩の画像です。これも前の画像と同様上手い具合に枕と枕の間に入り込んでいる。

露頭情報:No_168;中野俣川

今も京都大学に居られるのだろうか、山本順司さんのHPでこの露頭を知ったのだが、山本さんのあまりの行動力の凄まじさに煽られて、HPの記録を追っても車が通れるような道路が無い場所を突っ走っているので、時間経過から露頭位置を知ろうと思っても全く判らない。
露頭の位置は山形,鮭川村:青沢層とだけ在る3枚の画像。1998年7月の記録だ。「相沢側川の十二滝」:
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=385518&l=1400225
と 「日向川支流の滝ノ沢に懸かる「玉簾ノ滝」の間を走り、今度は取って返して与蔵峠へ向う!
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=385035&l=1400518
余人の真似られるものでは無い。結局、詳細の露頭は判らぬままなのだが、「地学のガイド:山形県」に中野俣川の露頭情報が在ったので此処に変更した。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=385353&l=1400313
本来は与蔵峠からの参考文献としては「リフト活動の変遷に伴うマグマ組成の変化 東北本州,前~中期中新世の秋田山形堆積盆地における例」(2001)岩石鉱物科学第30巻265-287頁
「東北日本地域の枕状溶岩」 論旨
「中新世中期青沢層玄武岩の海底火成活動」(1987)
「大沢地域の地質」Ⅲ 新第三系 Ⅲ.1. 青沢層 1)主部 枕状熔岩は少量であるが中野俣川流域など各地で認められ,暗緑灰色を呈し,長径数10cm以下の枕状団塊の集合体からなる。しばしば発泡しており,直径1cm以下体積比で10-20%の気泡を含む 16頁 第7図:青沢層主部中の不規則な形態を示し急冷縁を持つ玄武岩。片平田町中野俣川中流

露頭情報:No_167;秋山郷中津川清水河原付近

正確な露頭位置を示さない論文や「地学ガイド」が多過ぎる!この露頭情報は「秋山郷の地質案内」によるものだけれど、露頭が在る事は判るのだけれど、その地図・位置情報が示されていないのが不思議でならない。
この地域を知り尽くしている方々の為の資料なら別にして、それ以外の人々を対象にして「地質ガイド」を執筆するのなら、位置情報をはっきりしなければ、その場所を訪ねる事も出来ない。
この露頭を含む地層は「西田尻層」の水冷破砕岩らしい。場所はこの付近を想定している。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=365530&l=1383841
残念ながら他の資料でこの地域の枕状溶岩の露頭について触れている文献を探し出していない。

露頭情報:No_166;新潟市秋津区大沢公園付近

場所は大沢公園「付近」とまでは判るのだが、土地勘がないので今一つ詰め切っていない露頭。「石油の里」中野邸のHP、新津丘陵地学ハイキングHPが参考となるHP。後者にはこの露頭の画像がある。
場所は従って、
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=374450&l=1390657
新津丘陵付近には枕状溶岩を採掘していた採石場等も在ったらしく、情報はいろいろ在るのだが詰めが決まらない情報ばかりなので、本当は8月の初旬にこの付近を歩く予定でいたが、折悪しく集中豪雨でかなり山沿いの道路が寸断されたようなので延期した。
石油の里:中野邸のHPは下記
http://www.nakanotei-muse.com/
新津丘陵地学ハイキングについては下記を参照ください。
http://www.page.sannet.ne.jp/fujiroll/outdoor/wagaya17/1015chihi.htm
この付近も秋田県由利地域と同様に枕状溶岩が石油の母岩となっているのだろうか?
尚、この付近の地質年代については「フイッショントラックニュースレター第20号(2007)44-47頁に「新潟市新津丘陵に分布する凝灰岩および火山岩のFT年代」が、瑞浪化石博物館研究報告第35号の111-125頁には「新潟市新津丘陵における金津壮の珪藻化石と地質年代」の論文が存在する。

2011年8月22日月曜日

焼津市虚空蔵:No.037-13

枕状溶岩の隙間に上手く入り込んだ貫入岩ですが、もともと此処に在ったものはどうしたのでしょうね?或いは火山ガラスや凝灰岩?ハイアロクラスタイトで比較的温度に弱く溶けて排除されたのでしょうか?もしそうならその溶けた奴を見てみたい気がします。枕状溶岩と貫入岩の間に見える部分がそうなのでしょうか?
少し纏めて貫入岩の末端の様子をみてみましょう。

露頭情報:No_163;藤枝市北方(詳細不明)

産総研の地質ニュース第456号「私の推薦する天然記念物-中部地方の枕状溶岩」が出典だが、場所は下記付近を想定している
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=345516&l=1381441
詳細不明。

露頭情報:No_162;静岡市久住北東1km

産総研の地質ニュース第456号「私の推薦する天然記念物-中部地方の枕状溶岩」が出典だが、場所は下記付近らしい。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=345936&l=1382024
正確な所は判らないが、地質図を調べればなんとかなるかも!
安倍川と藁科川の合流点には比較的最近礫の採取に行ったのだが、此処に回る余裕は残念ながらなかった。

露頭情報:No_161;岡部町観音下

産総研の地質ニュース第456号「私の推薦する天然記念物-中部地方の枕状溶岩」が出典だが、場所は下記付近らしい。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=345558&l=1381539
現在は藤枝市岡部町桂島であろう。ここに寛政年間に建立されたと伝えられる「子安観音」があるらしい、運行頻度は判らないが付近は岡部町営バスがあるらしい。
この付近の露頭に関する文献はないが静岡大学地学研究報告(1972)に「大崩海岸地域の地質:山崩れ災害の地質学的背景」がある。
この中の「三輪砂岩頁岩層」に関する記述の中に「本層の下半部の凝灰質部分は東方へ行くと平玄武岩層に移化すること、また平玄武岩そうの上部の部分に本層の頁岩と同質のやや厚い頁岩層が出現することなどから、本層下半部と平玄武岩は指交関係にあると考えられる」
とあるので、焼津の海岸と同じ玄武岩層の存在が考えられる。岡部町は宇津の谷峠・廻り沢などにも露頭があるようだ。