2011年4月29日金曜日

露頭情報:No_029;鹿屋市郷の原

5万 鹿屋地域の地質図(15-17頁)には:塩基性溶岩は花里の南西の 321.9m峰付近、郷の原西方の 319.4m峰付近及び白水北東の丘陵に分布している。郷の原西方の採石場付近のものは一部には明瞭な枕状構造が認められた。地学のガイド:鹿児島県の61頁以降にもこの露頭についての記載があります。鹿児島大学理学部紀要(地学,生物学)1986年No.19 の149-169頁に、報文「大隈半島四万十帯の地質構造」があり、156頁の郷之原層の項でも枕状溶岩に触れられています。場所はこの附近の採石場(跡?)ですから今でも露頭が残っているかは不明です。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=312355&l=1304851
2005年に「死都日本」のシンポジュームに便乗して南九州を歩いた時は、加久藤火砕流の露頭を2日間案内して頂いたので、この附近を歩く時間的余裕は無かった。高校時代に歩いた開聞岳やこの附近も、もう一度別の視点で歩きたいものだ。生きているうちに!
4月30日-5月2日の3日間、山梨と神奈川の露頭を歩く事にしたのでこの間ブログを更新しません。山梨の2箇所の露頭は文献がほぼ無い。神奈川の露頭は有名なので敢えて行く事も無いか?と思っていたが立ち寄れれば見て見たい場所。東北太平洋沖地震の余震もかなり収まってきた雰囲気なので、3月に予定していて駄目になった露頭歩きをやっと実現する気になってきました。

2011年4月28日木曜日

露頭情報:No_028;士別剣淵弥榮川

北海道の露頭情報は大変多いのだが、戦後間も無くの北海道地質研究所時代の5万分の一地質図に依拠するデータが多いので、現状でその露頭がどのような状態になって居るか?判明しないものが実は多い。この露頭情報は、「士別の地質」HPに掲載されている比較的新しい情報に基づいています。HPアドレスは新しくなってかなり内容が充実しています。
http://www.geocities.jp/geo_shibetsu/
この露頭に関係するのはこの頁でしょうか?
http://www.geocities.jp/geo_shibetsu/tanken81.htm
http://www.geocities.jp/geo_shibetsu/tanken91.htm
http://www.geocities.jp/geo_shibetsu/tanken41.htm
場所は高速道路(道央自動車道)の建設現場に近いと言う事で、この附近から高速道路附近だろうと考えています。但し、高速道路に沿った切割りは観察出来ないでしょう。北海道では露頭を歩いた事が無いので土地勘と言うものが全く有りませんが、この附近には他にも沢山の露頭がある様です。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=440652&l=1422350
参考文献としては地学雑誌2003年769-780頁に掲載された、下記がこの場所そのものの文献では無いが参考に成るのではないかと思っている。ネットから無償でDL出来る筈です。「北海道イドンナップ帯付加体中のオフィオライトからみた残存島弧の地殻構成と層序 - フイリッピン海残存島弧との比較」“-”の前の前半の表題でネット検索を掛けると出て来るはずです。

2011年4月27日水曜日

露頭情報:No_027;長岡市野積海岸立岩

場所は弥彦山山麓の日本海 と言えばお判りの通り、弥彦山そのものが海底火山の様な地質でいろんな場所に枕状溶岩の露頭があるので、観察には困らないでしょう。
1/25000地形図では 
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=374155&l=1384712
余り詳しくは無いが「大河津分水と弥彦・角田山塊の見学会報告」と言う文書がpdfファイルで公開されている。残念ながらこれは報告者のミスだろうが「枕状溶岩」を「沈状溶岩」と記載している。案内者が「ちんじょうようがん」と発言したのかな?この附近の海岸線には角田海岸や間瀬海岸にも枕状溶岩が分布している。勿論、内陸の油田地帯の原油母岩は枕状溶岩と水中破砕岩だ。
2011年5月14日追記:折角追記した内容がブログ・ダッシュボードの12-13日のトラブルで消去されてしまったので2度目の追記となる。
新潟地域の観光案内や文化財の資料に、最近妙に「ちんじょうようがん」と読み仮名をふったものが多い事に気付いた。文化財関係の記載など幾つかは申し入れて訂正して頂いたが、全部には手が回らない。
前期「大河津分水路と弥彦・角田山塊の見学報告」の出所を調べてみたら新潟応用地質研究会の研究誌。第39号(1991年12月)に同じ表題と執筆者名がある。以前はこの文献を探し当てていないので比較的最近ネットで見る事が出来る様になったのだろうか?新潟大学には有名な水中溶岩(枕状溶岩が一般的だと思うのだが、研究者によって研究の独自性を強調する為か? 他にも水底溶岩とか、様々な用語を使われる方々が居られる)の研究者が居られたし、現在も付加体研究の第一人者と目された方が居られる。およそ、地質系の学会とか研究会等とは縁が無いので判らないが!このような研究誌(会誌)では査読なんて事は行わないのですかね?素人のブログと応用地質研究会では、世間への影響度が違いますからね!

2011年4月26日火曜日

露頭情報:No_026;屋久島田代海岸

屋久島の枕状溶岩については、記載しているHP等が物凄い量だが、伝聞が多く肝心な事を記載しているHPは殆ど無い。だが、その中から下記はお勧めです。
http://staff.aist.go.jp/saito-mkt/yakushima/Yakushima_photo.html
これは20万分の1地質図「屋久島」の著者のHP。屋久島を歩くには良い資料だと思うが2,520円。画像もあります。露頭の位置はこの辺だろう。海岸まで細い道が続いているのと、ものによっては船行海岸と記載したものもあるので、かなり広い分布を示すものだろう。本当は別の露頭として登録しようかとも考えたのだが、殆ど繋がって居る雰囲気なので(勝手な想像だが)一つにしてしまった。このブログの、マダ訪ねていない露頭が余りにも多いための欠点。この島は花崗岩で有名だが付加体も興味深い。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=302046&l=1303957
下記の「屋久島の自然」HPにも田代海岸の露頭画像があります。
http://www.yakushima.org/geology.htm#m
資料としては地質ニュース(廃刊となりましたが)の2008年7月号に、20万地質図関連記事が在るようだが残念ながらこの年度分は公開されていない。 画像は鹿児島県地学会の有名な写真集「地球からのメッセージ 鹿児島」の22.23に掲載されています。No_22は田代川河口近くの熊毛層群のものを、No_0.23は船行海岸の熊毛層群のものを紹介しています。

2011年4月25日月曜日

東北太平洋沖地震以降の震源分布4月25日現在

4月の21日にも同様なグラフを掲示しているが、気象庁の地震データ公開が大分進んだのでこれをグラフに組み入れてみた。余震はまだまだ収束していく様子が無い。
このブログの前の記事でも申し上げたが、震源地(震央)の分布に関しては海上保安庁のHPに3月31日までのデータに限られるが下記に興味深いデータが公表されているので興味のある向きは参照下さい。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/jishin/11tohoku/index.html#epi_all
また、各管区気象台において公開している最新の地震情報をご覧になるようお勧めします。例えば仙台の場合は下記に定期的な発表内容がpdfファイルで掲載されています。何れもクリックでは移動出来ないのでコピペで! http://www.jma-net.go.jp/sendai/jishin-kazan/j-week.htm
また、気象庁の気象統計情報のなかに http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/index.html
例えばhttp://www.seisvol.kishou.go.jp/auto/hypo/index0.html
最新の地震の分布情報が掲載されています。
4月11日の福島県の大きな地震に於いては、いわき市遠野町で断層が観測されている。この附近は枕状溶岩の露頭探索で何度か歩いている場所に近い。御斎所街道は変成岩の名所みたいな場所。
http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/fukushimahamadoori/#FukushimaNo2

露頭情報:No_025;人吉市上原田町曲尾

熊本県人吉市上原田町曲尾の露頭。これも前出の「熊本地質ガイド」>人吉>枕状溶岩 だが、人吉地域には2箇所に「枕状溶岩」の文字があるので、平野(盆地)を示す緑色の中の「人吉市」の上にある「枕状溶岩をクリックすれば良い。
そう言えば、この「熊本地質ガイド」は熊本県高等学校教育研究会の地学HPの様です。
このHPに記載された「熊本の自然をたずねて」の下に記載された「熊本県地質巡検ガイドブック」(121P,124MB)も、1970年に作成されたものですが興味深い資料です。
露頭の場所はこの附近でしょう。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=321528&l=1304404
毎日一箇所を御案内していたのでは1年経っても終らないので時には数箇所ご案内する事にしました。その間に、画像の整理が出来たら別にご案内しましょう。

露頭情報:No_024;熊本県美里町早楠

熊本県美里町(旧砥用町)早楠南西
この露頭については正確な場所は実は判っていないが、出典は6,195円の「砥用地域の地質」。第7章 秩父帯ジュラ紀堆積岩コンプレックス 7.2小田尾ユニット(59頁)59頁 第7.1図:小田尾ユニットのルートマップ 60頁 第7.2図小田尾ユニットの露頭写真 B:枕状溶岩;砥用町早楠南西方の尾根沿い 86頁 第7.20図:九州の秩父帯のペルム紀,ジュラ紀堆積岩コンプレックスの対比 この60頁に示された 小田尾ユニットの砥用町早楠南西方の尾根沿いにあると言う露頭なのです。ルートマップを記載するのなら序に画像の撮影地点くらい記載しても良いだろうに・・・ ルートマップだと柏川に沿ったこのポイント(小田尾ユニット模式地)にも玄武岩溶岩と玄武岩火山砕屑岩が分布している。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=323544&l=1305513
「早楠」と言う地域名は結構広くて八代市と美里町が境を接する附近、国道445号線の東西に広がっています。
先ほどのポイントはもっと東の雁俣山と京丈山の間の谷筋になります。まずは「そう簡単に教えてなるものか!的記載術」なんて思うのは小生のヒガミかな?

2011年4月24日日曜日

露頭情報:No_326;鴨川市橋本西方(2/2)

実はこの露頭の玄武岩はかなり重要なものらしい。しかも意外と見付からない!(くどい!)ヒントは「等高線」
先日は嶺岡の南側の数箇所を巡ったが、ピクライト玄武岩・アルカリ玄武岩・蛇紋岩・曹長石・斑レイ岩(これも様々な斑晶を持つものを観る事が出来た)や玄武岩に掛かる滝なども見学出来た。
千葉県には火山が無いのに実に不思議な岩石が様々に存在している。今更ながら、千葉県に住んで良かった!子供の頃からの憧れの地質に、この年齢に達してから親しむ事が出来たのは望外の幸せだが、その中でも年老いてから移住したこの千葉県に住めた事が、私の人生に実に楽しい経験を積ませてくれる事になったのは嬉しい。