ラベル 枕状溶岩、 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 枕状溶岩、 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年7月25日土曜日

佐野の石灰石鉱山のズリから玄武岩

“久し振りの枕状溶岩ネタ”です!!或る調査の為に佐野市の石灰石層下部に有るらしい玄武岩を探しに出掛けた。足尾から佐野・出流付近の地質を20万シームレス地質図で見るとこの様に記載されている。この中でも渡瀬渓谷沿いの枕状溶岩はこのブログでもその画像を御紹介しているが、佐野・葛生・出流方面に関しては凝灰岩は在るけれど玄武岩は・・・と言う情報ばかりだった。でもこの様にチャートや石灰岩の東縁には淡い緑の(変)玄武岩が記載されている。
鍋山の周囲や出流の満願寺付近に狙いを付けて移動中に崖に少し丸みを帯びた枕状溶岩の様に見える露頭を見付けたが周囲はダンプカーが疾走する石灰石鉱山で勝手に敷地に入る事は出来ない。その露頭が含まれる様に思えた鉱山の事務所に取敢えずお願いをしてみようと交渉すると、その崖は別の鉱山だと判ったが、事情を説明するとそれらしい岩石が、役に立たないので(売れないので)ズリ置場には在るので観に行くなら案内すると言って下さったので是非にとお願いして鉱山の中に入らせて頂いた。
鉱山に迷惑を掛かられないので場所を特定出来る様な景色が入った画像は紹介出来ないが、標高200m程のその場所には赤茶色の凝灰岩(ハイアロクラスタイトか)の中の成分がレンズ状に引き伸ばされた状態の比較的割れやすい岩石と、正に緑色岩で少なくとも一つの面が緩やかな球面を構成する岩石が存在していた。250~300m付近の採掘現場は大型の重機が稼働中なので入れないが、成程20万シームレスでは石灰岩の領域に脈状に変成を受けた凝灰岩と玄武岩が脈状に(付加体として折り曲げられ剪断を受けて)あたかも貫入した様に存在しているようだった。
凝灰岩の中にレンズ状に引き伸ばされた岩塊が有るもの。

  緑色岩。複数の形状が重なったものは探し出せなかったが硬い岩石塊を割ると緑色岩であった。

この後、観音入林道で層状石灰岩の露頭を観察、層状石灰岩から剪断を受けた岩塊が風化されずに突き出していたが、これは硬度が高い為では無く、石灰分が殆ど無い為に溶けなかっただけのボクボクの風化岩だった。出流の満願寺の入口付近でも緑色岩の(凝灰岩では無い)岩片は在るのだが、山の斜面の傾斜がきつ過ぎて露頭には辿り着けなかった。
何れ薄片を作って検証の予定。

2012年8月10日金曜日

弁天島の細長い水路


弁天島のドレライト岩脈が浸食されて出来たらしい直線的な水路となった凹み。この水路と平行に沢山の岩脈が走っている。恐らく、貫入したドレライトが浸食されて出来たと解釈して間違いはないだろう。 観察会の参加者はスケール代わりに画面に入れさせて頂いた。
この付近の見学案内書としては日本地質学会2004年見学旅行案内書、第J版「嶺岡山地の地滑りと火成岩類」に詳しい。HPでは、現東北大学の平野さんが作成された下記に詳しい。この頁には青年の家の代表的枕状溶岩の外観と断面図の画像も含まれて居る。
http://www.geo.titech.ac.jp/lab/takahashi/staff/nhirano2/mineoka/isomura.html
嶺岡の巡検ガイドは下記に在ります。
http://www.geo.titech.ac.jp/lab/takahashi/staff/nhirano2/mineoka/
日本火山の会の「火山の無い千葉で火山に思いを馳せる会」を開き、平野さんと共にこの付近を歩いたのが2005年。もう7年前の事になってしまった、

未だ夜中なのに目が冴えてしまったので、起き出してパソコンの前に座ってしまいました。
11日に、等々力渓谷で開かれる火山の会のoff会の事を考えて居たら、我が人生に大きな影響を下さったこの付近に住んでおられた方々の事を思い出し、目が冴えたらしい。11日は少し早く出掛けて少し歩くか!

2012年8月9日木曜日

鴨川漁港・弁天島:枕状溶岩とドレライト


弁天島への橋がかけ替えられて立派になった。暫く立ち入り禁止だったので、それでも恐る恐る一人で橋を渡っていたがこれで安心!
これは屏風島付近からの遠望。一見褶曲の様に見えるのは観察用通路の階段部分。
丁度この部分にドレライトの貫入岩が直線的に配列されているので余程波が荒い場合は別として此処まで観察に入る事をお勧めする。枕状溶岩の赤褐色部分とドレライトの灰色部分の対比が面白い。
画像左手のコンクリート堰堤は幅が狭く危険だからこの上は歩かない事。
海蝕洞の付近の枕状溶岩は、人為的な破壊によるものか、風化によるものか判らないが年々削られていく。色々と興味深い形状が多いのだが残念な事だ。

2012年8月8日水曜日

八岡海岸の角礫凝灰岩


海岸に広がる角礫凝灰岩。スケール代わりのハンマーはもう少し画面の端に寄せる積りだったが、ハレーションで綺麗な画像の部分を切り取れたのはこの部分でした。
火山性の砕屑物ばかりでは無く、海岸にも大きな岩塊が転がっている綺麗に成層した砂岩の岩片なども含まれて居る。基本的には緑色岩が多い。
この角礫凝灰岩は、数日前の画像で示した海岸の枕状溶岩と距離はいくらも離れてはいないけれど、全く性質の異なるものなので、注意して良く観察して下さい。

2012年8月7日火曜日

鴨川青年の家の枕状溶岩


枕状溶岩は同じ場所に行けば何時も同じ顔を見る事が出来るとは限らない。青年の家の裏側の円形の建物を取り囲む枕状溶岩の道では、比較的枕状溶岩がしっかりしているので壊れて行く事は少なく、今年も代表的な外観と断面の組み合わせを見る事が出来た。
これは今までも気付いていたのかどうかはっきりしないけれど、ハンマーの柄の少し上に細長い溶岩の垂れ下がりが見える。冷却節理で水平方向にブチ切れている様だがこの場所でこの様に細い溶岩を見る事は珍しい様に思った。
これまでに見た枕状溶岩の最も細くて小さいものはやはりこの八岡海岸で見たもので直径数ミリだ。下記にセラドン石に囲まれたその画像があります。
http://akashi1945.blogspot.jp/2010/09/30.html

2012年8月6日月曜日

鴨川:青年の家の枕状溶岩

青年の家はもともと採石場の跡地に建設されたので、各所に露頭も有りますし、壁等には枕状溶岩が使われていますので、この様に枕状溶岩の特徴である放射状節理を示し、外側の形状を残した(右側面を観て下さい)ものもあります。小型の枕状溶岩では放射状節理は中心部まで届いていますが、大きくなると中心部までは届いて居ません。
この付近の露頭画像はこのブログで数多くご案内していますので、「千葉、露頭画像」でご覧ください。

2012年8月5日日曜日

鴨川・八岡海岸の枕状溶岩

実に久し振りの枕状溶岩の画像です。千葉県立中央博物館の夏休み企画「石ころをひろおう」にお手伝いで参加しました。鴨川青年の家の北側にある八岡海岸は千葉県内では比較的少ない岩石海岸です。此処には峰岡帯の様々な岩石が在ります。博物館では隔年の開催で、此処と上総湊で「石ころをひろおう」を開催しています。
この枕状溶岩の画像は、八岡海岸の砂浜の雰囲気の中から顔を出していたものです、ハンマーの先端側は一応急冷縁を持った枕ですが、その周囲には水冷破砕岩が重なっています。チョット面白いので撮影しました。この枕状溶岩も良く見ると水冷破砕岩の塊のような雰囲気ですが、旨く固まったものの様です。この北側には角礫を大量に含む凝灰岩が分布しています。
南側は枕状溶岩が沢山見えます。
50枚程度様々な岩石の画像を撮って来ましたので、10枚程度をご案内しようと思います。

2011年10月21日金曜日

枕状溶岩 二題

今日は枕状溶岩の標本2個を見る機会がありました。最初の枕状溶岩は、博物館での地学の勉強仲間が持ち込んで、どんな石か聞かれたもので上の画像のもの。上側が外側の表面でこれに直角に冷却節理が伸びている。珪質化しておりかなり緻密になったもので、鮮やかなチャートのようになっているのが嬉しい。気泡は方解石か沸石が埋めているのだが、これも変質している。残念ながら薄片を作らないとその鉱物は判定出来ないがうらやましい標本でした。但し、現在は個人の所蔵品だが30年目に植木屋での「購入品」なので産地は不明。折角、冷却節理面がきれいに構成されているので、薄片用サンプルを切り出すのも・・・
もう一つの枕状溶岩は14日にご案内したガードレールに引っ掛かった枕状溶岩の破断片。こちらは緑が実に美しい。 足尾帯の枕状溶岩。気泡は既に変質した鉱物で塞がれておりその境目も判らぬほどに変質が進んでいる。画像ではその気泡を埋めた鉱物が観難いのが残念。こちらは薄片を作成する事になりそう。

2011年6月5日日曜日

私の 枕状溶岩 露頭情報について(2)

上の画像は昨日6月4日の埼玉県横瀬町曽沢川上流の枕状溶岩。最近偏光顕微鏡を使える機会が増えたし、薄片製作も大分腕を上げたので、ここの興味深い岩相の小岩塊を出来ればサンプルを取りたいと思うのと、更に上流を見てみたいと思って行ってみたが、以前に増して遊歩道の痕跡が更に崩落していてスリル満点なので行く事はお勧め出来ない。二之瀬橋から45分程度掛っただろうか?でも途中で写真を写したりしていたのでそれほどでもないか?
この露頭は、歩き難いが面白い岩相が見えて大好きなのだが、ナンセ足元が悪い。
でも秩父ジオパーク計画のジオサイトやその中の早稲田大学理工学研究科院生による想定ジオサイト34箇所の一つにリストアップされている。
多分、現地には行った事が無い方々がリストアップされたのだと思うが、一般の方々がハイキングの雰囲気で気軽に訪ねる事が予想されるジオサイトにこの様な荒れた場所をリストアップするのは如何かと思う。
リストにはアクセスの容易さ、難易度を記載すべきと思う。
私の作成した枕状溶岩の露頭情報資料は、エクセルに整理してA3で40頁程度。項目としては登録番号・県名・所在と関連情報・1/25000地形図名称とうおっち図でチェックした座標とその場所にリンクしたアドレス・確度・画像(自分の)の有無・参考文献名称と記載場所・文献公表時期と著者名・参照頁等。
別ファイルに、参照したHPなどのアドレス集と、無償で入手出来る文献リストをやはりエクセルで整理している。以前はCDに整理して配布していましたが、画像データを含めるとCD 一枚に収まらなくなったので最近は公開していませんでした。
今回、その一部を公開し始めて、久し振りに情報に関係していたHPや文献のアドレスがかなり移動しているのに気付いた。その為、リストに参考用として挙げていたHPや文献のアドレス再調査したり、新たな資料が見付からないか?調べて居る内に、限られた時間内で処理出来なく成った次第。もう暫くお休みです。
折角集めた情報なので、中には興味をもたれる方々もいるかもしれないと思って,64歳の定年退職を期にこのブログを開設してみたが、反応は予想通り殆ど無かった。それでも最近は話題の範囲を枕状溶岩に限定せず、小生の興味の赴くままに火山(これがメインの興味)や地震や、出自が絡む筑豊等の様々なテーマのお陰で、その場しのぎの閲覧数を稼ぎ出し、相乗効果と言うのか?ネットでの検索も比較的容易になって来た。
枕状溶岩の露頭情報資料公開するには、誰がご覧になるか判らないと言うネットの功罪を加味して、アクセスの難易度も積極的に記載しなければと思い始めていたら、今回の横瀬町の露頭で自ら思い知った次第。他人のやる事に難癖をつけるのは容易で快楽(他人の不幸は蜜の味!)だが、自分で実践するのは容易ではないが、やらなくちゃネ!
尚、上の画像の右側の板状の部分も勿論枕状溶岩です。綺麗に断面スライスされた長靴大の枕状溶岩サンプルが転がっている。

火曜日7日に広島県まで出張になりそうです。仕事が旨く行ったら高梁川沿いを歩いてみようと思うので、数日間更新はお休みにさせて頂く事になりそうです。

2011年6月3日金曜日

私の枕状溶岩 露頭情報について (1)

私の枕状溶岩の露頭情報について少しご案内したいと思います。何時から枕状溶岩の露頭情報を集め始めたか?もう忘れてしまいましたが恐らく2004年前後だと思います。キツイ闘病生活から生還し、余命3年と言われた期間を過ぎるかな?と思った頃に少し体力が回復してきて、もう少し生き続ける事が出来そうなので、高校時代からの夢だった地質の、特に火山関係の勉強をしてみたい、生きるか死ぬかと言う経験をした後なので年齢的にも今やらなければ老後のボケ老人を後悔しながら生きていく羽目になる。こうなったら突き詰めてやれる事をやってみたいと思い始め、久野久先生の「火山および火山岩」を読み返し、鴨川の枕状溶岩の露頭に出合い、これをやってみよう!と思ったのが始まりです。久野久先生は北九州に居た高校時代にお世話になっています。
私は研究者ではありませんし、地質について高校なり大学なりで学んだ事はないので、情報はまずインターネットで収集を始めました。集まった情報のメモを元に、偶々当時は茨城県の取手市に住んでいましたので、筑波の産総研・地質調査センターの「地質図ライブラリー」と「図書室」の両方に通ってみました。nkysdbをご存知でしょうか?産総研・地質調査センター職員のみやぎさんが作成した地質情報のデータベースですが、読む事が出来た論文等の巻末にある参照文献から原著を探し出し、産総研の図書室でチェックし、枕状溶岩についての記述があるとメモを取り複写して位置情報を読み取りました。1/5万の地質図は片っ端から目を通しました。チェックリストを造り、何時どの資質図をチェックしてどの頁に記載が有るか?中には読み落としたものもあるかも知れませんが、産総研で発行した1/5万地質図の殆ど全部に目を通しました。
現在、正確な露頭の位置が確定出来ないけれど、「この附近」には有るらしいと言うレベルの情報や、本当は枕状溶岩では無いのに、枕状溶岩が有ると言い張っているものなどの情報が650件集まっています。不確実な情報については折に触れてクロスチェック出来る資料を探し続けています。
そのデータを基に、比較的近い場所の露頭から歩いてみました。最初は全く判断が出来ない露頭が多くて困りましたが、段々と枕状溶岩の形状や色等の特徴が少し判って来た様な気がします。
兎に角、色々見なくちゃ判らないので写真を撮り帰宅後に拡大して眺めたりしました。ものは集めても分析も何も出来ないので、時々珍しいのを本当に小さい薄片1個を作れるかどうか?といったサイズのものを持ち帰る事がある程度です。基本的には採集は無し、写真だけです。昨年は山陰まで足を伸ばしました。長野や山梨・静岡も枕状溶岩が多い場所なので時々足を運びます。

2011年3月5日土曜日

枕状溶岩画像も500枚

このブログを2009年9月8日に鴨川の小さな枕状溶岩の画像でスタートして早くも1年と6ヶ月が経過しました。枕状溶岩とは関係ない画像も紛れ込ませましたが、枕状溶岩の関連画像だけでもほぼ500枚に達しました。このところ、遠隔地の露頭を歩く機会もそうそう多くは無いので少し画像のストックが少なくなってきました。後半年程度がこのブログの限界かもしれません。現在の枕状溶岩データベースには、間違い情報を含めて650箇所を登録済み。その中の70箇所ほどを廻りました。以前は枕状構造を残していたのに今はもうそれを見る事の出来ない露頭も増えてしまった様です。まだまだ外を歩ける間は、枕状溶岩と付き合って行きたいものだと考えています。尚、現在、このブログは大体一日に25人ほどのペースでご覧頂いています。もうひとつの「岩と土の表情」のブログは大体15名程度です。最近、古墳の岩質関連の記載を連載している為か、分野外の方々が観て下さるのか?ゆっくりと増加傾向にあります。この様な類のブログで閲覧して下さる方々の人数が多いのか少ないのか?判りませんが嬉しい事です。有難う御座います。