2012年8月26日日曜日

露頭情報:No.579:美郷町耳川水系尾迫川大斗(おせり)の滝

これは実は重複したデータ。下記の画像と併せてみて下さい。参照論文が別なのでうっかりしたらしい!データを整理していて何かしっくりこないのでチェックして見付けました。No.136と7同一。

不思議なもので、枕状溶岩の露頭分布を調べていると幾つかの地名は、枕状溶岩の分布確度が高い様に思える事が有る。虚空蔵や日陰山と言う地名がその例。
宮崎の日陰山は全山、緑色岩で出来ている様な山なのだが、この北側にある「大斗の滝」は滝の部分が枕状溶岩で出来ているらしい。
産総研・地質調査総合センターから2001年まで発行されていた(現在は地質調査研究報告に)「地調月報」の第31巻(1980)第2号に「九州における四万十帯中の含硫化鉄鉱床,特にその胚胎層準について」と言う論文が掲載されている。
この83頁には第9図:宮崎県神門地区地質図が掲載されており、大斗の滝(此処では尾迫の滝)を含む日陰山一帯が緑色岩で占められている事を示しています。
また、4.2.2.地質概説の 4)項(83頁)には「緑色岩類」の記載が在り、ここには「緑色岩類は当地区では諸塚層群八戸層,神門層群荒谷層中にみられる。特に荒谷層中では大規模な岩体として地区東部の日陰山を構成し、(中略)緑色岩は外観上、濃緑色時に暗赤色部をまじえ、緻密で、玄武岩質のものと、淡緑色ときに桃赤色部をまじえ千枚状の片理を有する凝灰岩質のものと2型が区分され、前者ではいわゆる蛇紋岩化が著しい。一部には玄武岩熔岩質のものはレンズ状岩体をなし、時に枕状構造を示し、凝灰岩質のものは層状をなす事が多い。枕状構造は笹影ダム右岸やその南方の尾迫滝,さらに、その西方延長上の「中崎」および小丸川上流の「阿切」の河床で観察され、楕円形-円形をなし、人頭大から大きいものは長径100cm,短形(短径の誤記と思われる)40cmにおよぶものがある。上記各地の枕状構造をもつ緑色岩類は荒谷層に属する。緑色岩類の地区内における特徴的な産状について述べる。(以下略)。
勿論、この文献もネット上で公開されています。下記から閲覧して下さい。
実は、この「尾斗の滝」は文献を読んでから暫くの間謎に包まれていて、或る日やっと「尾迫川」の「大斗の滝」が正解だった事が判った次第。
この滝については下記のネット情報が有益かと考えます。通常の観光コースでは枕状溶岩は見る事が出来ないかもしれません。でも危険な事は辞めて下さい。