2009年12月25日金曜日

神奈川県葉山町水源地橋(2)

最初にこの場所を歩いた時には雨の後で濁った濁流が流れていました。しかも橋の下流には河床に下る事の出来るスロープが造られて河床がしっかり固められて居たので、もう枕状溶岩は無くなってしまったと思いました。その後、なんとも気になって三浦半島に出掛けた晴れた日にもう一度此処を訪れてこれを観付けました。これまで、これ程に表面に気泡が見えている枕状溶岩を観た事が無かったので驚きでした。
小生のデータ整理番号はNo.506.参考文献は産総研の「横須賀地域の地質」平作の露頭同様に葉山層群分布域の火山岩類の項(32-36)に記載されている。岩質は「安山岩質玄武岩」流理構造が発達していると記載されているが確められなかった、水中の岩には藻類が繁茂していて全く観察出来ない。これ以外にもこの上流に玄武岩質安山岩の露頭が有る筈なのだが高速道路橋脚附近では探し出せなかった。
尚、水源地橋入口から一つ坂上の国際村入口バス停附近は道路工事の保護構造からして、蛇紋岩の分布=膨張性地山が存在していた事が伺われる。
2011年6月16日追記:地質関係の職業に従事する方から、大分以前にこの玄武岩はピクライト質玄武岩だと思うとのお話を聞いていた。その頃は余り枕状溶岩の材質には注意を払っていないと言うか、自分で調べる事も出来なかったし、判断する知識も無かっただけの話だった。
最近、千葉県内でピクライト質玄武岩の露頭を何度か観察する機会が有り、なるほど、外観はピクライト質玄武岩にそっくりで、表面の凹凸は「発泡」ではなくて、ピクライト質玄武岩の「カンラン石」が抜け出した後かもしれないと思い至った。
尚、5万分の1:横須賀地域の地質:34-35頁には、この露頭の岩質を「暗灰色,無斑晶質の岩石で、流理構造が発達している。一部に径40cm前後の枕状溶岩を数個含有する。鮫島(1970)は,この岩石をSiO2量が約51%のカンプトナイト(粗面玄武岩⇒多孔質もあるらしい:引用者追記)としている。」と書かれている。残念ながら判断材料は無いが思い出したので追記した。

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