2011年8月1日月曜日

露頭情報:No_134;槙峰・五ヶ瀬川河床

基本情報は1/50,000 地質図「諸塚山地域の地質」: 「Ⅱ.3.2.1. 諸塚層群 槙峰層  22頁 第13図;枕状溶岩を含む柱状図 23頁 第14図;槙峰層M2の玄武岩質凝灰岩と枕状溶岩・槙峰 24頁 第15図;槙峰層M2の枕状溶岩・槙峰  22頁:塩基性岩類は玄武岩熔岩および火砕岩よりなる。これらは簗崎・城・猿渡附近や速日峰北域では厚層をなして発達するが、本層上部では狩底・槙峰附近によく連続する数枚の塩基性岩類があり、これより南西に向かって次第にその量を減ずる」場所は下記付近に行けば判るだろう。画像は宮崎在住の“S”氏に提供頂いたもの。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=323638&l=1312653
地質図解説の抜粋引用「塩基性岩類の上・下限は断層で切られることもあるが、槙峰駅前橋下の川沿いの露頭(第13図)では、下部約20mは塊状溶岩と火砕岩の互層で薄いチャートを挾む。
その上に約5mの枕状溶岩がある.枕の大きさは短径15-30cm,長径30cm以上である(第14・15図)、更に上約20mは凝灰岩を主とし,ときに薄い泥質岩を挾む。これより上約30mは泥質千枚岩が卓越するが,その下部では厚さ1-5cmの凝灰岩と泥質岩が頻繁に互層している。全体を通じて,溶岩から火砕岩を経て泥質岩に移化する様子がよく分かる。
塩基性岩類とその上・下の地層との関係は広域目の影地域の試錐資料からも知ることができる(第31図)。 なお,枕状溶岩は綱瀬川下流の川床でも観察され,枕の構造からその岩体は逆転していないことが分かる.
塩基性岩類は緑色片岩相の変成作用を受け,緑色の千枚岩又は結晶片岩となっている.このため火砕岩と溶岩の区別か困難な場合が多いが、前述のように枕状溶岩が見られることもある。顕微鏡観察によると,玄武岩中では普通輝石と斜長石の斑晶が残っていることが多い。普通輝石は周辺及ぴ舜開に沿ってアクチノ閃石・緑泥石・緑れん石に置換されており、斜長石は完全に曹長石化され、その周辺及ぴ内部にセリサイト・方解石・緑れん石が生じている。
また鏡下でまれにドレライトが認められるが,露頭ではその産状は分かりにくい.この場合も,輝石と推定される斑晶はすべてアクチノ閃石となっている。M2の層厚は露出範囲で2,000m,恐らくこれ以上と推定される.」画像も豊富に掲載されている。
尚、地質学雑誌 第98巻 第5号 391-400頁に「上部白亜系四万十累層群槙峰層(九州)なかの緑色岩の産状と化学組成(1992)が掲載されている。この地点を含む地域の文献なので一読をお勧めする。

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