2011年9月26日月曜日

露頭情報:No_231;富良野町金山ダム

出典は前の露頭情報と同様「空知の自然を歩く」。Ⅳ.空知中部・東部 5.富良野-狩勝峠⑤ 夕張山地が見える金山ダムの項にこの露頭について書かれている。178-11頁。5.富良野-狩勝峠(空知川をさかのぼる) ⑤夕張山地が見える金山ダム
金山市街地から国道237号線を離れ,空知川の上流方向へ進むと,2kmほどで金山ダムのえん堤が見えてきます。さらにゆるやかな登り坂を進むと,右側に金山ダムの展望台入口があります。
入口から200mほど入ると,眼下に金山ダムの全容を見ることができます。金山ダムは中空重力式のコンクリートダムで,空知川流域の総合開発のために昭和42年(1967)に建設されました(p.49参照)。えん堤付近の岩盤は,空知層群下部のトマム輝緑凝灰岩層とよばれる風化・侵食に強い岩石で,この岩石が分布するところでは,空知川が深い峡谷をつくります。谷幅が狭く,硬い岩石でできている場所が,ダムを築造するための好条件といえます。ダムを見おろすこの高台をさらに進むと,左側に大きな露頭があります。この露頭は,輝緑岩を主体とする岩石からできていて,部分的に石英や方解石の細脈と薄い粘板岩や凝灰質岩をはさんでいます。輝緑岩は破砕岩片の集合体(火砕岩)で,一部に,放射状の節理が発達した枕状溶岩も見られます。ダム展望台から,西の方向をながめてみましょう。夕張岳・鉢盛山・芦別岳などタ張山地の主峰と,それらを連ねる稜線が明瞭に観察できます。図36は夕張山地の概形を示す断面図(帯状平行投影断面図)です。夕張山地を東側上空からながめた図と考えれぱよいでしょう。
従って露頭位置は下記と考えて良さそうです。枕状溶岩が多い場所は、台風15号やその前の集中豪雨で大きな被害を受けた奈良県の十津川村や高知県の佐那河内の様に地すべりや山崩れが起こり易い地質と思っていましたが、結構頑丈な地質もあるのですね。

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