2009年10月24日土曜日

群馬県神流町万場高校附近(5)

画面右奥に生利大橋が見える。橋と高校の間の露頭。これも判り難いが間違い無く枕状溶岩の露頭。
この様な場合は、色の違いや割れ目の届き具合等を良く観察しながらスケッチするのが、一番良い方法だと思うのだが、私はスケッチが大の苦手。最近、偏光顕微鏡観察で鉱物の同定の勉強中だが、スケッチがネックになって進まない。スケッチは出来るだけ心掛けてやりましょう!?言うは易く行うは難しい!!
どうしても得心出来ない、駄目な時は、カメラで自分が、変だ?なんだ?おかしい?重要だ!と思う部分を遠くから、近くから、何度も撮影し(デジカメは楽ですね)後で得心の行くまで画像をひっくり返したり回転させたりして観察する事。
この附近は様々な岩相を見せる露岩が沢山有るので、判り難い岩相の観察には適していると思う。
それにしても、神流町の文化財HPに有る様な小型の枕状溶岩の集合体である転石が見当たらない。全く見落としただけなのか?それとも、小平辺りから偶々流れ下って来ていたのか?不思議!不思議!

2009年10月23日金曜日

群馬県神流町万場高校附近(4)

2.5万地形図には記載されていないが、左岸の万場高校側からは河床に下る道が幾つかあるが駐車スペースの確保が難しい。短い時間だからと生利大橋の左折合流用のスペースに無理やり違法駐車かな?高校よりやや上流の細い道に入れるか?
橋と万場高校の間にこの露頭がある。左岸と右岸でこうも違うのか?と思うほど岩相が違うものがある。眺めただけで橋の下から下流はチェックしていないが、其処にも分布している可能性はある。
これは特に弱い部分が侵食されているので、右岸のほぼ一様に緑色岩化した様に見える岩体に比べて遥かに判り易い。ガラス質の層は色で、緑色が強く凹んでいるのは放射状節理を持っていた弱い変質し易かった部分だと思われる。変質の差が強度の差として現れて余計に摩滅しているのが興味深い。中央の大きな枕の右下方向に小さく枕状溶岩の構造が顔を覗かせている。スケールは無いが雑草の大きさから想像して頂けると思う。
町の文化財指定も、前述のHPの記載から見て右岸だけだと思われるので、この附近の岩ならこの様な特徴的な岩体を除いて、多少叩いて見る事は許されるのではないか?露頭で、ハンマーを用いて新鮮な破断面を見る事は観察に際して大変重要な事だけれど、特徴的な岩相を表しているものは出来るだけ残しておいて欲しい。周辺にも同じ岩相のものが沢山有るのだから。

2009年10月22日木曜日

番外編:三波川・御荷鉾の変成岩(3)


引き続き、三波川変成岩の断面画像を番外編としてご紹介します。これは点紋絹雲母片岩。
絹雲母はセリサイト。これは現在も採掘され、工業用の用途として使用されている様です。白雲母とは異なる様ですね。それ以外は全く知識が無いので下手な解説は止めて起きましょう。

群馬県神流町万場高校附近(3)


火山の会のOFF会の後、翌年の5月の連休に、これは尾瀬附近の枕状溶岩の露頭を一人目指したのだけれど、ペンション等と言う少し洒落た処に泊っての旅で、少し時間の余裕が有ったので、同じ群馬だが方向違いの万場高校露頭に再挑戦した。OFF会の時に、万場高校側にも枕状溶岩が有りそうな雰囲気だったので確めたかった訳。
今回は左岸側からの観察だけだったが実に嬉しい露頭を見る事が出来た。これが先に紹介した緑色岩化した枕状溶岩を左岸から見た状態。これなら枕状溶岩だと認めて頂けそうにおもう。同じ岩体の画像を3枚も連続して申し訳ない気もしないではないが、枕状溶岩は判り易い時は別に考える事も無いのだが、判り難い時もかなり多い。
ポイントはやはり、様々な角度から観察する事だと思う。露頭によっては露岩になっている3面の中でたった一箇所だけはっきりと枕状溶岩らしく見えるものや、その露頭を撮影して後で画像を90度回転すると、枕状の構造がはっきりと浮かび上がる事もある。
この画像を取れた頃はデジカメも現在と異なりデータ量が少なかった。なんせデジカメを購入した時に付属していたメモリーは64MB,思い切って購入したのが256MBだった。現在は2GBで快適になったが、1画像に1MB+等は考えも出来なかった。

2009年10月21日水曜日

番外編:三波川・御荷鉾の変成岩(2)

これは、同じく道の駅「おにし」内の体験館に展示してある「点紋紅簾石片岩」。展示解説には「小藤教授が初めて報告した世界でも少ない貴重な石」とある。
写真の下半分は比較的明瞭に写せたようだ。点紋片岩は確か曹長石の斑状変晶だと橋本光男さんの「日本の変成岩」で読んだ記憶が在る。と言う事はこの白い部分が全て「曹長石」なのだろうか?もう一度、「日本の変成岩」を図書館から借り出さねばならない。この本は千葉県内の図書館の7箇所に所蔵されているので、借り出しが比較的楽で助かる書籍。
全くのアマチュアで、顕微鏡などの文明の利器を持たない自分にはこのような断面研磨標本は実に嬉しい。なんとなく構造が判った気になるので却って良くないのかも知れないが、これに偏光顕微鏡写真でも添付してあれば大喝采なのだが・・・
「日本の変成岩」にはモノクロの顕微鏡写真が有った様に思うので見てみよう。

群馬県神流町万場高校附近(2)

前の写真と同一の転石。O氏がスケールを立てて下さった。転石の上はA4サイズの、このOFF会の参考資料。「日本火山の会」の「御荷鉾・三波川変成岩を観察する北関東ミニ巡検」と壮大なテーマ表示の日帰りOFF会(website を離れた観察会)。今回の幹事は小生。その記録はhttp://www.kazan-net.jp/off/0708mikabooff/0708mikabooff.html
この転石が枕状溶岩だと見当を付けたのは、事前にwebsiteで拝見していた日本地質学会2002跡倉巡検の報告に負う部分が多い。
最上段、昼食Stop「万場産枕状溶岩の研磨面」自然史博物館駐車場脇に展示」とある。実はこの博物館のHPにもっと大きな断面写真が掲載されて居るのだが「群馬県産」とあるが「万場産」の説明が無い。もうひとつ参考にさせて頂いたのは神流町の文化財HP。「みかぶ帯の枕状溶岩」
二つの断面標本で産状についてのある程度の予測が付いていた次第。
神流町HPに記載されている「羽生第一高校教師」は埼玉県内でも枕状溶岩の露頭紹介資料を作られている「遠井敦先生」ではないかと想像している。お会いしてみたい方です。
少し脱線したが、ここの枕状溶岩は冷却節理面では割れない可能性が高い。節理が変成の過程で強度的な区分を失っているらしい事がこれらの断面研磨写真で判断出来る。
さて、少し明るくなったので早朝散歩に出掛けるとしますか!

2009年10月20日火曜日

番外編:三波川・御荷鉾の変成岩(1)

群馬県の変成岩の聖地とも言える「三波川・御荷鉾」を歩いていながら、変成岩に全く触れないのは、先達に対して失礼極まりないとも思えるので、スケール無しで申し訳ないのだが、幾つか変成岩の画像を番外編としてご紹介したい。最初の画像は道の駅「おにし」の中の体験学習館に展示して有った「緑簾石片岩」。緑泥石片岩中に含まれ産出は少ないとある。
暗い照明の中での撮影なので本来はもっと鮮やかなのだがご容赦下さい。浅学で申し訳ないのだが、緑色片岩と赤色片岩では内部に含まれる金属化合物が異なり、全く別物と思い込んでいたのだが、桜山を歩いて同じ岩片に両方が入り混じって存在するのを見て不思議な感動を覚えてしまった。
火山も不思議だが、変成岩も不思議でならない。断面を偏光顕微鏡で見て見たい。