2009年10月8日木曜日

番外編:小型柱状節理の断面形状

本日は番外編。冷却による柱状節理は全て六角形なのか?不定形のものは在るのか?これまでに見てきた小型の柱状節理の画像を探してみました。この画像は塩原温泉・布滝附近の材木岩と呼ばれる小型の柱状節理で断面形状は不定形です。場所は下記。
但し、ここの小型の柱状節理は本当に冷却速度のみの要因で小型化したのか?少々疑問があります。断面形状には一見板状節理の様な構造があり、それが砕けているように見える画像が多いのです。
「栃木の自然を訪ねて」の157頁には、「夕の原の駐車場から100mくらいのところに,材木を立てかけたような割れ方をする岩石が道路脇にみられます。・・・立派な六角柱状の節理が観察されます。」と記載されています。それはこの崖の上に在り同じ岩質「ひん岩」です。
道路脇の露頭の画像も有りますが残念ながら金網ごしのもので、しかも六角形には見えません。
「大地の鼓動・柱状節理の四季」と言う写真集を観てみました。この中に幾つか六角柱或いは五角柱では有り得ない表面形状を呈している物が有ります。例えば、30頁:宮城県白石市小原「小原の材木石」, 31頁:秋田県由利本庄市岩城滝俣「亀田不動の滝」,35頁:青森県下北郡大間町「津鼻崎」,39頁:島根県出雲市大社町「日御碕」。私の経験の中では、他に会津・湯ノ上温泉にある中山風穴と石柱の丘はやはり小型の柱状節理で出来た構造です。節理の断面形状が判り易い画像が手元に在りません。11月初めにに歩予定なのでその時に参考になるものを探して見ましょう。
参考までにweb上で入手し易い文献を二例ご紹介します。
「澱粉を用いた柱状節理形成の模擬実験」 論旨 寅丸敦志・松本健 2003年
ここでは、柱状節理の断面積は冷却速度の-0.9乗に比例して減少する事。臨界の冷却速度以下では柱状節理が形成されない事。五角形が卓越する場合と六角形が卓越する場合がある事などが述べられています。
「東尋坊安山岩質貫入岩体の産状と構造」 福井市自然史博物館研究報告 2005年
冷却節理と言えども六角形でなくても不思議は無いようです。

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