2009年9月26日土曜日

京都市右京区京北芹生寺子屋橋(2)

Ⅰ型地層群とⅡ型地層群の違いや各地質図における地層群の対比について
は「京都西北部図幅」,「四谷図幅」或いは「西津図幅」等に詳しい。
この地域の「灰屋コンプレックス」は地質図によると「京北町芹生から京都市左京区静市そして岩倉附近に掛けて,幅3kmで,北北西―南南東から北東―南西走向をなして延長する」とされている。
露頭の一部,地質図やレッドデータブックに記載された部分とほぼ同一。
枕の断面形状を観察していると枕上部の円弧が所々内側に撓んでいる箇所が散見されるので、先に流れた枕が未だ固まり切れない、新たに流れてきた熔岩の重量に耐え切れるだけの強度を得る前に、次の熔岩が流れてきた事が想定される。

2009年9月25日金曜日

京都市右京区京北芹生寺子屋橋


この露頭は京都RDBにも記載されている京北芹生集落の傍、寺子屋橋を越えて直ぐのカーブにある。
車は橋を渡った芹生集落の案内看板&公衆電話BOX附近に駐車。
「京都東北部の地質」によると、Ⅱ型地層群・灰屋コンプレックスのアルカリ玄武岩系緑色岩類。古生代石炭紀。
残念ながら熔岩の断面は苔が生えていて余り良く観察出来る状況ではないが、枕と枕の境界ははっきりしており、この岩塊が少なくとも横転している事が判る。
鞍馬山周辺から芹生~芹生峠付近は特に塊状および枕状溶岩が主でハイアロクラスタイトは少ないらしい。貴船への峠道では他の露頭に出会えなかった。探す余裕も無かったと言う方が正解か?道路が狭すぎる。 データNo.011.  ウオッちずの座標は下記。

2009年9月24日木曜日

京都市右京区京北上黒田町桂川河床右岸

参照文献には記載されていないが、右岸側にもハイアロクラスタイトが分布し、中にはこの様に放射状節理を示す岩片も見られる。かなり風化していて脆い。他にはチャートが大変に多い。
地質調査所月報1993年727-743頁には「美濃-丹波帯の縞状珪質粘土岩とそれに随伴する緑色岩の産状」と題する「四谷地域の地質図」執筆者による報文が掲載されている。732頁に本露頭附近のルートマップ有。webで閲覧可能。
741頁 図版2に示された範囲は時間に追われ露頭に入る余裕が無かったのが残念。
京都北部~若狭湾附近には枕状溶岩の露頭が大変に多いのだが、今回は直前に急に思い立っての旅で、予約が取れた国民休暇村の場所で、コースを策定した為に位置的制約が多く、諦めた場所が多く心残りであった。何れ余裕を持って再訪したい場所だ。

2009年9月23日水曜日

京都市右京区京北上黒田町桂川河床左岸


桂川が上黒田でΩを上下逆にした形で折れ曲がった一番下の付近の左岸にこの露頭が在ります。左岸側の畑側はイノシシ除けのネット等があり近付けず、道路から降り易い右岸側から遠望するか、長靴の深いものを履いて渡河するかです。
尚、花脊峠を通る国道や芹生峠からの道路は急傾斜で車のすれ違う余地が無いので、坂道でバックで待避出来る自信の有る方以外にはお勧め出来ません。
岩の表面を清水が流れているので、光の当たり具合ではかなり見難い露頭です。写真は偏光フイルターを利用しています。
右岸側の河床ではハイアロクラスタイトが観察出来ます。花脊峠からの道路沿いにはチャートの露頭が幾つかありますが、車の離合を考えると観察している余裕は在りませんでした。
参考文献は「四ッ谷地域の地質」18頁 第11図に「京都府京北町上黒田附近のルートマップ」が記載されています。記載された露頭よりやや下流側にあります。記載された露頭ではチャートは見えますが、玄武岩質枕状溶岩は雑草に隠れて見る事は出来ませんでした。
小生のデータNo.263 ウオッちずの座標は下記
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=351220&l=1354432

2009年9月22日火曜日

茨城県北茨城市磯原うぐいす谷温泉(4)

これはうぐいす谷温泉の旅館と枕状溶岩の間を流れる小川を旅館の玄関前の橋から上流側を見た状態です。上流のこの画面の範囲と下流のホンの数mの間がこの様に鉄錆色に染まっています。
小川の名前は「二ツ島川」。昔は水戸藩中山家神道無念流道場の跡地だと言うこの温泉は「ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉」だそうですが、残念ながら入浴の機会は在りません。この地域のには海岸よりに幾つかの温泉がありますが、温度は低そうですね。
河原に乗り出している岩も枕状溶岩と思われますが、近づけませんでした。もう一度、出来ればこの付近の採石場らしき場所を中心に歩いてみたいとは思っていますが、中々機会がありません。
この磯原地域に関しては石炭関係の文献は色々と見付かりますが、ここの場所について触れているものが見付からずにいます。
2011年7月5日画像をやや大きなデータのものに変えました。写っている範囲は変えていません。

2009年9月21日月曜日

茨城県北茨城市磯原うぐいす谷温泉(3)


これは枕状溶岩の表面です。右奥には既に紹介した熔岩の先端部が小さく見えています。表面を見ると礫岩の様な雰囲気が在ります。溶岩流の移動につれて割れた破片が表面に現れている状態と考えて良さそうです。
全体の雰囲気から旅館の庭石の一部として取り込まれている状態が判ると思います。
枕状溶岩の外側の表面は溶岩流によって様々です。ここの枕状溶岩の様に表面だけを見ると礫岩と思いたくなる様なものは比較的多いように思われます。
陸上熔岩との違いは下側の地山との接触面や上側の表面にクリンカー状の発泡痕が無い事がその特徴の一つだと思われます。
この画像の手前側が駐車場、右奥が温泉旅館の建物になります。
この露頭に関しては後1枚、この枕状溶岩と旅館の間を流れている小川の様子を明日ご紹介する事にします。
2011年7月5日:画像をヤヤ大きなものに変更しました。