2009年11月28日土曜日

長野県上田市霊泉寺(3)

霊泉寺川の左岸に見られる枕状溶岩です。この上から泥水が流れ下って来る為に泥と苔で表面は汚れていて、細かな表面の様子は判りませんが形状で充分枕状溶岩である事が判ります。
この枕状溶岩のある場所は浅田見山(1553.9m) からの尾根筋に当たりますが、下流の虚空蔵(別にご紹介します)の露頭からの距離は2km以内ではないかと思います。内村川には更に下流の和子大橋付近にも露頭がありますので、この附近の枕状溶岩の分布はかなり広い範囲に渡っているのではないかと思います。

2009年11月27日金曜日

長野県上田市霊泉寺(2)

左岸、ポットフォールから20m程度か?シート状溶岩と枕状溶岩が重なっている。こんな感じで河床の上30m以上まで積み重なっているのだろうか?或いはガイドブックの記載は伝聞で、「ポットフォールから下流へ30mの河床」が誤って伝わったのか?
溶岩の表面は苔や泥でかなり汚れているので、細かく観察されたいかたは大きなタワシでも持っていかれると良い。かなり下流から遡上してくるよりは、ポットフォールから膝附近までのズボンも濡れそうなのを覚悟して下った方が楽だと思う。

2009年11月26日木曜日

長野県上田市霊泉寺(1)

菅平口と同じ上田市ですが、千曲川の反対側。内村川の支流である「霊泉寺川」の霊泉寺温泉近くにある枕状溶岩の露頭をご紹介します。最初はこの枕状溶岩の露頭の目印と成る巨大な「ポットフォール」です。スケールがありませんが、雑草の大きさから見てもこれが如何に巨大か?想像が付くのではないかと思います。ここの露頭については「改訂 長野県 地学のガイド」39頁に掲載されています。ポットフォールは「稚児ヶ淵」と呼ばれる「ひん岩」の岩脈に穿たれたものです。小さな柱状節理が見事です。
「地学のガイド」には「(稚児ヶ淵から)下流の霊泉寺川北岸の、河床から約30mの高さには、見事な枕状溶岩の露頭があります。ここから霊泉寺温泉へは800mの道のりです。」と書かれています。
最初の年には、このガイドブックの記載に従って北岸のひどい藪を歩きましたが露頭には出会えませんでした。2年目に、ここでは子供達がポットフォールに飛び込んで遊んでいました。その子供達に下流の河床に下る道(ポットフォール下流左岸)を教えてもらって何とか下流に下り両岸をチェックし露頭に出会えました。

2009年11月25日水曜日

長野県真田町菅平口(6)


これは確証はありませんが、今度この附近を歩く時は何とか取り付くルートを探してみたいと思っている崖です。菅平口の枕状溶岩の露頭から少し菅平に向って登り、橋の附近から川沿いに少し下った場所で見かけました。残念ながら、崖の前に川が流れていてその方向からは取り付く事が出来ませんでした。黒い部分を見ていると枕状溶岩ではないかと思われてなりません。せめて三脚を据えてもう少し解像度の良い画像が得られたらと残念に思っています。
この画像で、菅平口の枕状溶岩の露頭紹介を終ります。上田市にはこの他にも枕状溶岩の露頭がありますので、次回は同じ市内の露頭です。11/26 画像が横転していたのを改善しました。結局原因不明で別の画像データと入れ替えました。

2009年11月24日火曜日

長野県真田町菅平口(5)


この枕状溶岩は露頭の比較的下の方にあったものです。下の溶岩の谷に旨く収まってしかも小ぶりです。上に有る溶岩との間には少し隙間が有るような雰囲気です。この様な形状の岩体を見ていると、どうしてもこれは本物の「枕状溶岩」と考える事になんらの問題が無い様に思えます。
この地域の枕状溶岩の画像はこれで終わりです。只、この露頭から少し上流に遡った場所で少しハッキリしないのですが、気になる崖が有りましたので、次回はその画像をご覧頂いて菅平口の画像を終ろうと思っています。

2009年11月23日月曜日

長野県真田町菅平口(4)


小さな画像で恐縮ですが、これは菅平口の(2)でご紹介した画像の左上隅にあった岩の部分をトリミングしたものです。この部分に触れるのを忘れていたので、取り上げました。
これは、幾つかの岩のブロックが集まって居る様に見えます。八木博士がここは「擬」だと言われるのはこの岩体を見ての事かもしれないと思いました。尤も「擬」は「偽」であるべきなのですが、細かい事はさて置いて、これは放射状節理が現れているものだと私は解釈しています。
様々な文献なので急冷による放射状節理が溶岩の表面から中心部まで続く様に書かれているのを目にしますが、枕状溶岩がそこで「停止」してその状態で固結する場合は、放射状節理が中心まで繋がるかもしれませんが、通常は中心部まで放射状節理は繋がらず途中で中央部を残して停止します。大きな画像が無くて残念です。

2009年11月22日日曜日

長野県真田町菅平口(3)


露頭の手前の部分です。一番左手の縦に筋目が入っているものに注目下さい。偶々裂け目が少し開いているのか?空洞なのか?この画像から確める事は出来ないのが残念です。この頃はデジカメのデータ量が小さくて、まだカメラ用に1GBのメモリーなんて存在しない時代だったのです。この石は下がポコンと膨らんだ形をしていますが、私はこれは枕状溶岩の周囲の放射状節理の部分が2~3個剥れて脱落してしまった為にこの様な形状になって居るのではないかと考えています。縦の割れ目の上の方にこれと直交する筋と、斜め右上に走る筋が見えませんか?ある程度の大きさの枕状溶岩では、急冷による放射状の冷却節理は中央まで達しない事が多く見受けられます。枕状溶岩らしい形状をしていない部分もこの画像にはありますが、それは別に珍しい事ではありません。
むしろ、教科書の様な形態のものの方が実は少ないのです。