2010年1月2日土曜日

京都 鞍馬寺(3)

参詣者用の単線ケーブルカーを降りて本殿に参詣する途中に見られる岩体で、苔と泥の汚れでハッキリしませんがこれも枕状溶岩ではなかろうか?と思っているものです。参詣者が多く、鞍馬寺の境内と有って表面をクリーニングする訳にも行かず、この様な場所での観察は疲れます。でも想像以上に多くの枕状溶岩を観察出来たこの鞍馬寺は、清滝方面の混雑と異なり、静寂の中での観察で気持ちがリフレッシュされる様に思いました。
私のデータNo.603.最近の登録です。参考資料は1/50000「京都東北地域の地質」丹波帯・Ⅱ型地層群・灰屋コンプレックス。岩質はアルカリ玄武岩らしい。

2010年1月1日金曜日

京都 鞍馬寺(2)

これも同じ階段で見る事の出来る枕状溶岩です。この様に放射状節理が全く判らないからと言って「単なる石」とは言わないで頂きたい。此処では参詣者が多くて画像を狙っていると参詣者の邪魔になってご迷惑を掛けるので、ゆっくりと構造の判り易い角度を探す事は出来ませんでしたが、結構沢山の岩が参道に顔を出しています。
30日から今日1月1日まで、静岡県焼津市の虚空蔵や伊豆半島仁科川上流の仁科層群そして富士山周辺をうろついて来ました。枕状溶岩の画像も200枚くらい撮影して来ましたので、このブログのネタも当分安泰です。
今年も枕状溶岩にお付き合い下さい。
2/20追記:今年分から毎月1日にインデックスを入れるます。
これまでの主要なテーマの開始日を下記に紹介します。
2009年 9月 8日:千葉県鴨川青年の家
2009年 9月11日:石川県能登町九里尻川河口付近
2009年 9月13日:群馬県南牧村磐戸橋附近
2009年 9月19日:茨城県北茨城市磯原うぐいす谷温泉
2009年 9月23日:京都市右京区北黒田町桂川
2009年 9月25日:京都市右京区北芹生寺子屋橋
2009年 9月28日:埼玉県曽沢川上流
2009年10月 1日:千葉県鴨川青年の家
2009年10月10日:群馬県川原湯久森トンネル
2009年10月16日:埼玉県皆野町浦山の蛇紋岩露頭
2009年10月20日:群馬県神流町万場高校附近・番外編三波川・御荷鉾の変成岩
2009年10月30日:群馬県神流町東御荷鉾山
2009年11月 3日:番外編:シールド工事
2009年11月 5日:群馬県片品村戸倉片品川河床
2009年11月10日:群馬県渋川市小野上岩井堂
2009年11月20日:長野県真田町菅平口
2009年11月26日:長野県上田市霊泉寺
2009年12月 5日:長野県上田市虚空蔵
2009年12月14日:長野県須坂市井上・大柳
2009年12月18日:神奈川県横須賀市平作
2009年12月24日:神奈川県葉山町水源地橋
2009年12月29日:京都鞍馬寺

2009年12月29日火曜日

京都 鞍馬寺(1)

西に飛んで鞍馬寺の枕状溶岩です。鞍馬寺から貴船に掛けては石灰岩と緑色岩の分布で知られています。これは鞍馬寺の本殿から魔王殿に向う参道の階段脇に見られる枕状溶岩です。枕状溶岩といっても放射状節理あまり良く見えませんが、境内には数箇所に緑色岩とか枕状溶岩の案内板が掲示されています。大部分は草木に覆われていますが、この階段脇は比較的良く見える状態です。
さて、今年の画像はこの画像で一段落。来年1月2日頃まで観察の旅に出掛けますので、数日間お休みとなります。

2009年12月28日月曜日

神奈川県葉山町水源地橋(5)

水源地橋入口からバス停を1個横須賀市側に移動した交差点の風景。尚、バス路線を辿って山を越えた先には蛇紋岩の露頭と共に、ここと同様な保護を行った「阿部倉トンネル」が在ります。
阿部倉トンネルとその南側の道路は蛇紋岩の地山を掘削した為に、当初の計画を大きく上回る工期と工費を掛けて現在は車両が通行していますが、蛇紋岩地山で発生する膨張により、凄まじいまでの場所打ち杭を建てこんでいます。画像に観られる直径2mほどの円柱がそれです。膨張性地山でなければこんな大きな杭は全く必要では無いでしょう。嶺岡からここ横須賀まで、蛇紋岩と玄武岩の枕状溶岩はセットの様です。

2009年12月27日日曜日

神奈川県葉山町水源地橋(4)

この水源地橋下の露頭画像はこれが最後です。画像は対岸から偏光フイルターを使用して撮影しました。この画像に入っている範囲は枕状溶岩と思われます。後1枚この水源地橋入口バス停から一つ坂の上方面に移動した交差点附近の風景をご紹介して葉山町の露頭の紹介は終ります。
嶺岡から横須賀そしてこの葉山へと続く枕状溶岩ですが、この先大磯丘陵へと続きます。しかし残念ながら大磯丘陵の枕状溶岩の露頭はの一箇所は現在採石場から老人保健施設となり、崖面が吹き付けコンクリートで覆われてしまって観察する事は出来ません。同じ大磯丘陵でもう一箇所在る様なのですが、小さな流れに沿った道は崖上から落ちてきた雑木等に阻まれて私は露頭に辿り着く事は出来ませんでした。
2011年6月16日追記:地質関係の職業に従事する方から、大分以前にこの玄武岩はピクライト質玄武岩だと思うとのお話を聞いていた。その頃は余り枕状溶岩の材質には注意を払っていないと言うか、自分で調べる事も出来なかったし、判断する知識も無かっただけの話だった。
最近、千葉県内でピクライト質玄武岩の露頭を何度か観察する機会が有り、なるほど、外観はピクライト質玄武岩にそっくりで、表面の凹凸は「発泡」ではなくて、ピクライト質玄武岩の「カンラン石」が抜け出した後かもしれないと思い至った。
尚、5万分の1:横須賀地域の地質:34-35頁には、この露頭の岩質を「暗灰色,無斑晶質の岩石で、流理構造が発達している。一部に径40cm前後の枕状溶岩を数個含有する。鮫島(1970)は,この岩石をSiO2量が約51%のカンプトナイト(粗面玄武岩⇒多孔質もあるらしい:引用者追記)としている。」と書かれている。残念ながら判断材料は無いが思い出したので追記した。