同じ一連の露頭だが岩相は場所によって随分変わるもので、この画像で入手した露頭情報と同一場所だと判断出来ました。
確かに、枕状溶岩にも似たような形状と言えない訳では無いが、何処を見ても放射状節理も急冷のガラス層も無く、妙にすべすべしていて変成岩にしても熔岩系ではないと思われました。
露頭の位置は既に述べた通りですが、長瀞と三波石峡に挟まれた「風早峠のやや東」に位置し、変成岩の多い場所ですが、地層は入り組んでいて、周辺に分布する採石場は砂岩を採掘しています。
この日はハンマーを振るう事の出来ない長瀞を通過して、地質学上有名な三波川変成岩と御荷鉾を廻る予定で、ここは第一ポイント!なのに空振り? 変成岩としても原岩によって変成岩の顔付きも変わる筈で、予習していた三波川の変成岩類とは異なる事は判りました。
手分けして様々な岩相のサンプルを取り出し道路に並べて品評会を行い、蛇紋岩に間違いないと結論しました。嶺岡の蛇紋岩を見ていてすこし岩相が此処とは異なり判断に迷う一面もありました。地質は経験工学なのだなと改めて認識した次第。
皆野町の荒川沿いの金ヶ崎附近にも似たような蛇紋岩の産出が知られています。例えば、「原色新鉱物岩石検索図鑑」146頁を参照下さい。後の2枚でその表面の特徴をご紹介します。