2010年4月17日土曜日

埼玉県高麗川流域高麗摩利支天(10)

ハイアロクラスタイトの中に浮んだピローブレッチャの表情を幾つか見てみましょう。光っているのはスケール代わりの10円硬貨です。細かな杏仁構造が沢山在ります。白いものは多分沸石でしょうが確認はしていません。この岩片の中では特段の分布の偏りは無さそうです。これは基の気泡が比較的小さかった部分なのでしょう。

2010年4月16日金曜日

埼玉県高麗川流域高麗摩利支天(9)

似たような岩体は他にも沢山あります。やはり溶岩片の部分が硬いのですね、この様に溶岩片(ピローブレッチャ)の部分が侵食から取り残されて飛び出しています。この神社裏の階段を下った場所に在る露頭は実に様々な様相を見せてくれて興味深い場所です。この露頭は羽生高校の地学の先生が見付けられたものだそうです。この川から芦ヶ久保に掛けては実に様々な枕状溶岩の露頭から石灰岩(採掘されています)やチャートの露頭もあり興味深い地域です。石灰岩の下には枕状溶岩がある事も橋本氏の「日本の変成岩」に記載されています。

2010年4月15日木曜日

埼玉県高麗川流域高麗摩利支天(8)

ここからは少し違った枕状溶岩のご紹介です。枕状溶岩と言うよりはピローブレッチャと言う枕状溶岩の大型破片と言った方が良いのかもしれません。「火山灰に取り囲まれた溶岩片」と言った雰囲気でハイアロクラスタイトの中に浮んでいます。元々は放射状の冷却節理だっただろうと言う節理を持ったものや、杏仁状(専門用語では「あんにん」と言ってはいけないそうで「きょうにん」と読むのだそうですが)構造を沢山持った破片など様々です。こんな状態のものも少し詳しく観ておきましょう。

2010年4月14日水曜日

埼玉県高麗川流域高麗摩利支天(7)

これも左側の部分はハイアロクラスタイトばかりになっていますね。地衣類や鱗苔類が表面に着いているので、少し見難いですね。時々、この地衣類をこそぎ落としてしまおうかと言う誘惑に駆られる事がありますが、それも中々できません。丁度今、千葉県立中央博物館で中国雲南地方の地衣類に関する展示が開催されていますが、これも興味深いですね。岩にとっては地衣類は敵ですが、これはこれで興味深い研究対象になっていますね。

2010年4月13日火曜日

埼玉県高麗川流域高麗摩利支天(6)

枕状溶岩の外周の部分を拡大して見ました。ガラス質と言うには少々厚すぎるし、少し雰囲気が異なります。少し飛び出しているので周辺よりは硬いのだと思われますが「ガラス質」と言うには周辺のハイアロクラスタイトとの間に質感の違いが無さ過ぎる様に思います。定置後に枕状溶岩からの熱で再溶結でもしたのでしょうか?

2010年4月12日月曜日

埼玉県高麗川流域高麗摩利支天(5)

前の画像からやや右手を写してみました。この露頭の最初の画像はこの画面の少し下水面ギリギリの場所に在ったものです。この附近は溶岩がハイアロクラスタイトの中に包まれているものが多いですね。最初は急冷されたガラス質層がしっかり残っているのかと思いましたが、違っていて枕状溶岩の周囲を取り巻くようにくっついています。

2010年4月11日日曜日

埼玉県高麗川流域高麗摩利支天(4)

ハンマーの右手の枕状溶岩は外側の放射状冷却節理と内部が分かれているのが判りますが。右下の斜めに傾いているものは、中央に割れ目こそ有りませんがこの露頭でも多い冷却節理と同じ雰囲気です。単純に大きさとか扁平度とかで冷却節理の構成が変わっている訳でもなさそうです。周囲に溶岩があるか?流れ易いハイアロクラスタイトが渦巻いていたか?等の冷却条件の違いによるものなのでしょうか?