2010年12月18日土曜日

下田市板見漁港(21)崖側露頭

下部の比較的細粒の部分と、比較的大きなブロックが重なっている部分との境目附近で、間に「静岡地学」91号の「東海支部巡検会報告」の45頁に「図4.板見漁港(Stop4)の凝灰質砂岩層とブレッチャー、凝灰質砂岩層には、スコリア質の粒子が多い」と書かれた部分が挟まっています。と書かれているのはこの部分の事を示しているのだと思います。

二つの地学系素人画像的ブログに掲載した画像が788枚、283MBに達しました。このペースなら後2年は広告も無しで小生の経済的負担の無い無料のママ充分やっていけそうです。画像は古いものを覗いて1280x800サイズを出来るだけ守る様に選択編集しています。DLは御自由にどうぞ!

2010年12月17日金曜日

下田市板見漁港(20)崖側露頭

崖側露頭のほぼ全景です。海側露頭の確か一番高い場所に立って撮影したものです。少し崖に近付き過ぎたので見え難い部分も在るので、もう一枚似た様な画像ですがやや堤防よりの位置から撮影した画像も見て頂きましょう。
この画像では下部の成層した部分の構造が前の画像と違って良く判って頂けると思います。下部はかなり成層した静かな堆積層の雰囲気が在りますが、この中にも随分と不思議な構造が含まれています。幾つかの小生が気づいた部分については細部の画像で補足します。少なくともこの画像の範囲では枕状溶岩とは言い難い、崖の大部分を占めるのは敢えて言えば「擬似枕状溶岩」の岩相としたい雰囲気です。しかし、別の角度から見たものの中には、特に上部には枕状溶岩が在る様な雰囲気があります。放射状節理に見える部分も有り、下部の比較的平らな成層部分の上は土石流のような堆積で、不整合なのではないでしょうか?枕状溶岩を含むまだ固結していなかった溶岩流がずるずる滑ってきたのかな?と私は勝手な想像を巡らしています。

2010年12月16日木曜日

下田市板見漁港(19)海側露頭

緑泥石らしきものは見て頂きましたが、それに比べると此方は緑ではなく明るい青色です。どちらかと言うと銅の酸化物である「緑青」(水酸化炭酸銅)の様にも見えますが、もっと明るい青「明青色」と言えそうです。
明日からは「崖側」露頭の画像をご案内します。
以前、これと良く似たものを、国立科学博物館のつくば実験植物園の入口(浜松産の球状橄欖岩の傍です)にある岩石で観た事があり、どんな鉱物なのか?問合せをしたら「何故其処にあるのか判らない!」から「どんな岩石・鉱物か判らない」と言った雰囲気の回答が在りました。次に実験植物園に見学に行った時にもう一度キチント写真を撮ろうと思ったら、モルタルか何かでその明青色の物質が覆われており、およそ「国立科学博物館」らしからぬ対応にがっかりした事があります。

2010年12月15日水曜日

下田市板見漁港(18)海側露頭

海側露頭の向って右手の砂地の部分の拡大画像です。発泡したスコリアが沢山見えますね。残念ながら右下側はかなりピンボケですが全体に赤い色合いのものも混ざっているので陸上火山のスコリアかもしれません。白浜層群は浅い海の層だと聞きましたので、或いは水面近くでの噴火の際のスコリアが流れ込んで堆積したものでしょうか?

2010年12月14日火曜日

下田市板見漁港(17)海側露頭

ここの露頭の表面を少し細かく観察して見ましょう。小さな緑色の点は形状がどれも丸いので気泡を埋めた鉱物。恐らく緑泥石ではないでしょうか? 中央のやや大きなへこんだ部分はメノウでしょう。玄武岩だとしたらメノウよりは沸石かもしれませんが、玄武岩でもメノウで気泡が埋められている事は良く眼にする事です。「日本の変成岩」の「緑色岩」の項目に、「緑色岩の原火成岩の1次鉱物は,かんらん石,輝石,角閃石,斜長石,燐灰石,不透明鉄鉱物・・・・」と書かれています。色々な鉱物が緑泥石に変化するのですね。画面左側で光り過ぎているのはスケールの1円硬貨です。

2010年12月13日月曜日

下田市板見漁港(16)海側露頭

前の画像と似たような雰囲気ですが、この場合は明らかに割れ目がその外の領域まで伸びています。小さな気泡群の様な部分も有ります。画面右側の附近では少しボケたような輪郭が有り、その右側は別の構造の様な雰囲気があります。

2010年12月12日日曜日

下田市板見漁港(15)海側露頭

これも枕状溶岩の長手方向断面と言っても通りそうな画像ですが、「岩体」と「岩体」の間に在るものは(14)で示したものと同様な沸石か方解石膜の様です。この部分は実に微妙なカーブを描いていますが、少なくともこの画像からは水冷時の急冷縁は見えません。光っているのはスケール代わりの1円硬貨です。周辺の岩石の風化面・浸食面は一様ではありません。
表面が潮風で風化してくると実にその構造を読み難いものですね。所々で10mm以下の小さな豆の様にポコンと表面から飛び出しているものは一体何だろうかと他の画像を探してみましたが、残念ながらその辺を詳細に撮影した画像は見付かりませんでした。前の画像と同じ様な気泡を埋めたメノウなのかもしれません。機会が在ったら取り出してみたいと思っています。