2012年3月17日土曜日

露頭情報:No.500;日の出町 養沢鍾乳洞の沢


出典は五日市地域の地質。この「Ⅲ.秩父累帯の中・古生層 Ⅲ.2.秩父累帯中帯 Ⅲ.2.4.川井層」に属する。更に「16頁 第9図:川井層中にごくまれに見られる枕状溶岩(養沢鍾乳洞の沢), 14頁:本層中にはわずかに塩基性火山岩が挟まれるが、枕状熔岩は養沢川支流養沢鍾乳洞の沢で見られるのみで,本地域では極めて稀である。・・・塩基性火山岩を基質とする石灰角礫岩が,宝沢,養沢上流,肝要付近及び玉の内(467参照)北方に分布し・・  」
と記載されている。以前、この付近の地質の事を伺った地質調査総合センターのある方から「あの辺は結構チョコチョコ露頭がありましたよ。只記載する程の大きさの露頭じゃないけれど」とお聞きした様な・・・。 但し、以前この鍾乳洞は閉鎖されていると聞いているので、行かれる場合は念の為確認して下さい。中に入る訳じゃないけどネ。場所は
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=354620&l=1391023

これで500件。といっても、古い資料が見付からない奴が在ったりでかなり飛ばしたから480件くらい。これに、ご紹介した露頭画像が550枚程度かな?
エクセルに整理した露頭情報は、後150件程あります。他に未確認情報も有るので公開出来るのは全部で600件程度かもしれない。元気な内に頑張ってやり抜くぞ!
尚、最近、枕状溶岩と一緒に、凝灰岩質石材の調査もやってます。 
これについては「岩石と土の表情」ブログを参照下さい。
検索で出て来ます。

露頭情報:No.499;福島県二本松市三雄山:偽枕状溶岩・詳細位置不明


出典は二本松地域の地質。この「Ⅴ.2.高玉層,高玉カルデラ,後カルデラ期流紋岩の偽枕状溶岩。」と記載が在る。「26頁 第20図:高玉層後カルデラ期の流紋岩の露頭写真;スケール右側に pseudo-pillow 構造が見える。また、大きな節理に対して垂直に細かい冷却節理が入っている。(二本松市三雄山)」の記載。露頭の位置は詳細不明。取り敢えず「三雄山」は下記。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=373413&l=1402145

露頭情報:No.498;五所川原市小田川ダム管理棟横


出典は農林水産省HP。ホーム > 組織・政策 > 農村振興 > 水土里電子博物館 > 農村の貴重な地質遺産-農業農村の整備を通じて- > 3.枕状溶岩:青森県五所川原市。アドレスは
http://www.maff.go.jp/j/nousin/noukan/tisitu/t_makura/index.html
この頁は<全景>,<地質平面図>,<岩石の特徴とその形成過程>,<農業農村整備事業と地質遺産>,<位置図>,<所在地・アクセス>から構成されている。
引用された地質図には中新世の玄武岩と追記されている。露頭位置は敢えて記載する事も無いが念の為下記。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=405315&l=1403222
但し、参考に示されているものはモルタル吹付の崖面に顔を出している縦3mx横2.5mの放射状節理部分。
HPによるとこのダムはロックフィルダムで、「ダムサイトは硬固な玄武岩を基礎としており、堤体の材料となる岩石も近傍に分布する玄武岩が使用されました。そのため、ダムの表面を保護するリップラップ材には、丸い形状をした枕状溶岩が数多く見られます。またダム左岸側の管理棟付近には、この部分だけモルタル吹付けされずに窓が明けられていますので、現在でも菊の花を思わせるような放射状節理を観察することができます」
と書かれています。
ちなみにこのダムについては下記を参照下さい。
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=0203

露頭情報:No.497;静岡市葵区 安部川水系足久保川足久保奥組附近


参照した論文は化石系なので、これはもし時間が在ったら(人生スケールで)もう少し調べてみようと思った場所。
出典は“A MOLLUSCAN ASSEMBLAGE OF THE SETOGAWA GROUP”邦題「瀬戸川層群さんの貝化石群」か?これは表記の露頭で瀬戸川層群中部の滝沢層下底にある玄武岩溶岩の直上から貝化石を採集したと言う論文。瀬戸川層群の玄武岩溶岩なら、海底で噴出した溶岩かも知れないと思ったのであって、論文には“PILLOW LAVA”とは記載されていない。場所は、
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=350346&l=1381924

2012年3月16日金曜日

露頭情報:No496:;柏崎市米山町聖ヶ鼻


出典は柏崎市教育センター・柏崎市青少年育成センターから発行の“GALILEI”の2006年8月号に掲載されたプロジェクトK(科学技術教育班だより)。
13頁に「米山小 地質巡検」と題して「聖ヶ鼻~胞姫神社裏~田塚鼻の地層の成り立ちと土地の変化に関する考えをもたせるための素材巡検」を内容として、・米山層(西山層相当)の観察:① 聖ヶ鼻先端の溶岩の貫入と柱状節理の観察 ② 露頭上部,転石中に見られる含カンラン石複輝石安山岩の観察 ③ 水中自破砕溶岩,枕状溶岩,パン皮状火山弾,溶岩の流理構造 ④ 胞姫神社裏手の砕石場に見られる貫入溶岩と柱状節理
等が記載されています。
http://kedu.kenet.ed.jp/hp/kec/H1808.pdf
また、同じく7月号には12頁に、同じ場所だと思われますが、ワンポイント研修会「柏崎・刈羽の地質」が取り上げられています。
http://kedu.kenet.ed.jp/hp/kec/H1807.pdf
場所はこの「聖ヶ鼻」周辺だと思われます。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=371923&l=1382614
尚、この付近は2007年の新潟県中越沖地震の被災地であり、下記の現地調査報告書も産総研により公表されている。
http://cais.gsi.go.jp/Research/geoinfo/field_Chuetsu-oki.pdf
長岡技術科学大学による現地調査報告書
http://coastal.nagaokaut.ac.jp/~jisin/chuetuoki/final/3.pdf
応用地質学会による報告書。地団研の地質図が引用されている。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jseg/r_new/news/2007/chuetsuoki-rep.pdf

露頭情報:No.495:市川町下牛尾


ここの露頭は実は長い事勘違いしていて、もう思い込みで山梨県の市川三郷市を目を皿の様にして!「永通寺」を探していた。或る日、偶々姫路からの「播但線」のルートをチェックしていて、ハッと気付き、やっと兵庫県の市川町である事に気付いた次第。偶々、山梨を走りながら次々と枕状溶岩の露頭を観る事が出来て居た時期なので視野狭窄状態だったらしい。
従って、この露頭はまだ観ていないのだが、下記のウエブサイトを参照して頂きたい。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~HASSHI/simousiopillow.html
「兵庫の山々 山頂の岩石」と言うサイトで、中学校の教諭を務められた(現職?)地学のプロであるらしい。露頭の詳細はウエブサイトに譲るとして、露頭はこの付近の様です。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=134.81313888569&latitude=35.006976489564

2012年3月11日日曜日

露頭情報:No.494;市川三郷町 四尾連湖


出典は千葉大学教育学部研究紀要に掲載された論文「閉塞湖の存在条件に関する研究」この論文中に、「確定した訳では無いが近くには枕状溶岩の分布が有る」との記載有
甲府地域の地質13頁に「四尾連凝灰角礫岩層:四尾連湖周辺に発達し、両輝石玄武岩・・稀に枕状溶岩を形成」とあるので、間違いないらしいが少なくとも湖の周囲にはそれらしい露頭は見られない。少々甘く見てこの湖の観察時間に余裕を持たなかったので湖の周囲をさっと回っただけなのだが、見付けられなかったので、再訪するしか無さそう。「峠に岩壁が在った様な気がする」とは、出会った人に聞いた情報。崩壊地形に形成された湖だと考えれば、湖の周囲と南側尾根を歩いたのは失敗で、四尾連峠から大畠山方面を歩くべきだったかもしれない。
湖の直ぐ傍までは車で行けるが駐車場は有料。市川三郷には枕状溶岩が広く分布している。崖を見たら要観察である。http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=353147&l=1383102
下の図は、南側尾根に在る崩壊寸前の神社付近に在った凝灰角礫岩。他にも斜長石の斑晶が目立つ岩石露頭が在ったが、形状は枕状を示していない。

露頭情報:No.493;松江市島根町加賀


加賀の潜戸への観光船の乗り場から東側を望むと何やら新しい施設が海岸に作られている。その北側に枕状溶岩の露頭が在る。施設内に入れないだろうから露頭には近寄れない可能性が高い。
これも、出雲地方のジオパークの案内書に記載されている。表題は「桂島」ポイント4です。
No.492のデータから移動して下さい。ジオサイトの位置情報にもその公共施設らしい建物は書かれていません。私は観光船の岸壁に三脚を置いて望遠レンズで撮影しました。
ラベル「島根、露頭情報」から入って頂ければこの露頭の画像が4枚あります。波打ち際の枕が小さいですね。左側の色の濃い部分にも小さな枕が見えます。

露頭情報:No.492;松江市美保関町惣津(玉結湾)


ジオパークへの関心が高まって来て、この様な資料が続々と出て来ると露頭情報の調査も楽になりますね。「出雲地方のジオサイト」と「惣津」をキーワードに検索して、頂ければ即座にこの露頭の説明がpdfファイルで表示されます。ついでに、出雲地方のジオサイト情報は此処に在ります。見所は多いですね。この露頭の位置情報は、上記のガイドを参照下さい。
http://www.geo.shimane-u.ac.jp/geopark/geosite.html#izumo

露頭情報:No.491;津軽半島尾別川水系馬坂沢


出典は地調月報 第46巻 第7号に掲載された「青森県津軽半島中西部の新第三系の層序と放散虫・珪藻化石」
論文の長根層南部の記述(345頁右半)に「(2)南部:大部分が黒色の塊状堅硬緻密な玄武岩であり,しばしば柱状節理が発達する.一枚の溶岩の周縁部ではしばしば自破砕状であったり,発泡していることもある.岩石中の気泡には白色の二次鉱物が充填していることがある.尾別川上流の馬坂沢では枕状溶岩が認められた.そこでは断面の長径が約1mの枕状溶岩が積み重なってできた厚さ約2mの層と,厚さ約2mのスコリア層が交互に累重している。」
と記載されている。長いこの沢のどの付近に在るかは不明なので、沢の位置を示す。但し、342頁に示された「25」ルートマップと次頁の柱状図から判断して、この付近の可能性は高そう。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=405907&l=1402834

露頭情報:No.484;静岡市葵区有東木沢上流


有東木は「うとうぎ」と読むらしい。出典は東海大学紀要海洋学部「海-自然と文化」第1巻 第1号。「竜爪層群真富士山累層の火山岩の岩石学的特徴」その60頁:A.地蔵峠流紋岩層:熔岩は塊状のものが多いがラバーローブと思われる径2~6mの楕円形の産状を・・・この楕円の周縁部はガラス質で・・」と記載されている。残念ながら画像は論文に含まれて居ない。
竜爪層群・真富士山累層・地蔵峠流紋岩層。露頭位置ははっきりしないので、地蔵峠の座標を示す。
地形図では地蔵峠の西側から南西側の有東木沢に下る林道が書かれているが、頂上からは杣道 or 登山道が続いている様だ。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=351326&l=1382330