“久し振りの枕状溶岩ネタ”です!!或る調査の為に佐野市の石灰石層下部に有るらしい玄武岩を探しに出掛けた。足尾から佐野・出流付近の地質を20万シームレス地質図で見るとこの様に記載されている。この中でも渡瀬渓谷沿いの枕状溶岩はこのブログでもその画像を御紹介しているが、佐野・葛生・出流方面に関しては凝灰岩は在るけれど玄武岩は・・・と言う情報ばかりだった。でもこの様にチャートや石灰岩の東縁には淡い緑の(変)玄武岩が記載されている。
鍋山の周囲や出流の満願寺付近に狙いを付けて移動中に崖に少し丸みを帯びた枕状溶岩の様に見える露頭を見付けたが周囲はダンプカーが疾走する石灰石鉱山で勝手に敷地に入る事は出来ない。その露頭が含まれる様に思えた鉱山の事務所に取敢えずお願いをしてみようと交渉すると、その崖は別の鉱山だと判ったが、事情を説明するとそれらしい岩石が、役に立たないので(売れないので)ズリ置場には在るので観に行くなら案内すると言って下さったので是非にとお願いして鉱山の中に入らせて頂いた。
鉱山に迷惑を掛かられないので場所を特定出来る様な景色が入った画像は紹介出来ないが、標高200m程のその場所には赤茶色の凝灰岩(ハイアロクラスタイトか)の中の成分がレンズ状に引き伸ばされた状態の比較的割れやすい岩石と、正に緑色岩で少なくとも一つの面が緩やかな球面を構成する岩石が存在していた。250~300m付近の採掘現場は大型の重機が稼働中なので入れないが、成程20万シームレスでは石灰岩の領域に脈状に変成を受けた凝灰岩と玄武岩が脈状に(付加体として折り曲げられ剪断を受けて)あたかも貫入した様に存在しているようだった。
凝灰岩の中にレンズ状に引き伸ばされた岩塊が有るもの。
この後、観音入林道で層状石灰岩の露頭を観察、層状石灰岩から剪断を受けた岩塊が風化されずに突き出していたが、これは硬度が高い為では無く、石灰分が殆ど無い為に溶けなかっただけのボクボクの風化岩だった。出流の満願寺の入口付近でも緑色岩の(凝灰岩では無い)岩片は在るのだが、山の斜面の傾斜がきつ過ぎて露頭には辿り着けなかった。
何れ薄片を作って検証の予定。