2009年12月26日土曜日

神奈川県葉山町水源地橋(3)

溶岩の表面を接写して見ました。かなり汚れているので、これが溶岩の本来の色ではありません。スケールは10円硬貨。附近の雑草を使って表面をこすって見ましたが、緑色の草の色が追加されただけで駄目でした。
2011年6月16日追記:地質関係の職業に従事する方から、大分以前にこの玄武岩はピクライト質玄武岩だと思うとのお話を聞いていた。その頃は余り枕状溶岩の材質には注意を払っていないと言うか、自分で調べる事も出来なかったし、判断する知識も無かっただけの話だった。
最近、千葉県内でピクライト質玄武岩の露頭を何度か観察する機会が有り、なるほど、外観はピクライト質玄武岩にそっくりで、表面の凹凸は「発泡」ではなくて、ピクライト質玄武岩の「カンラン石」が抜け出した後かもしれないと思い至った。
尚、5万分の1:横須賀地域の地質:34-35頁には、この露頭の岩質を「暗灰色,無斑晶質の岩石で、流理構造が発達している。一部に径40cm前後の枕状溶岩を数個含有する。鮫島(1970)は,この岩石をSiO2量が約51%のカンプトナイト(粗面玄武岩⇒多孔質もあるらしい:引用者追記)としている。」と書かれている。残念ながら判断材料は無いが思い出したので追記した。

2009年12月25日金曜日

神奈川県葉山町水源地橋(2)

最初にこの場所を歩いた時には雨の後で濁った濁流が流れていました。しかも橋の下流には河床に下る事の出来るスロープが造られて河床がしっかり固められて居たので、もう枕状溶岩は無くなってしまったと思いました。その後、なんとも気になって三浦半島に出掛けた晴れた日にもう一度此処を訪れてこれを観付けました。これまで、これ程に表面に気泡が見えている枕状溶岩を観た事が無かったので驚きでした。
小生のデータ整理番号はNo.506.参考文献は産総研の「横須賀地域の地質」平作の露頭同様に葉山層群分布域の火山岩類の項(32-36)に記載されている。岩質は「安山岩質玄武岩」流理構造が発達していると記載されているが確められなかった、水中の岩には藻類が繁茂していて全く観察出来ない。これ以外にもこの上流に玄武岩質安山岩の露頭が有る筈なのだが高速道路橋脚附近では探し出せなかった。
尚、水源地橋入口から一つ坂上の国際村入口バス停附近は道路工事の保護構造からして、蛇紋岩の分布=膨張性地山が存在していた事が伺われる。
2011年6月16日追記:地質関係の職業に従事する方から、大分以前にこの玄武岩はピクライト質玄武岩だと思うとのお話を聞いていた。その頃は余り枕状溶岩の材質には注意を払っていないと言うか、自分で調べる事も出来なかったし、判断する知識も無かっただけの話だった。
最近、千葉県内でピクライト質玄武岩の露頭を何度か観察する機会が有り、なるほど、外観はピクライト質玄武岩にそっくりで、表面の凹凸は「発泡」ではなくて、ピクライト質玄武岩の「カンラン石」が抜け出した後かもしれないと思い至った。
尚、5万分の1:横須賀地域の地質:34-35頁には、この露頭の岩質を「暗灰色,無斑晶質の岩石で、流理構造が発達している。一部に径40cm前後の枕状溶岩を数個含有する。鮫島(1970)は,この岩石をSiO2量が約51%のカンプトナイト(粗面玄武岩⇒多孔質もあるらしい:引用者追記)としている。」と書かれている。残念ながら判断材料は無いが思い出したので追記した。

2009年12月24日木曜日

神奈川県葉山町水源地橋(1)

横須賀のお隣の葉山町にも枕状溶岩の露頭があります。性状は横須賀市平作とは異なり大変に発泡しています。河川敷に露頭が有り、ほんの少しの雨でも見る事が出来なくなりますし、生活排水が流れているのでしょう、余り綺麗な観察場所ではありませんが、こんな場所にもある事をご紹介しておきたいと考えました。橋の右岸のフェンスの傍にタラップがありますので、ここから降りる事が出来ます。
2011年6月16日追記:地質関係の職業に従事する方から、大分以前にこの玄武岩はピクライト質玄武岩だと思うとのお話を聞いていた。その頃は余り枕状溶岩の材質には注意を払っていないと言うか、自分で調べる事も出来なかったし、判断する知識も無かっただけの話だった。
最近、千葉県内でピクライト質玄武岩の露頭を何度か観察する機会が有り、なるほど、外観はピクライト質玄武岩にそっくりで、表面の凹凸は「発泡」ではなくて、ピクライト質玄武岩の「カンラン石」が抜け出した後かもしれないと思い至った。
尚、5万分の1:横須賀地域の地質:34-35頁には、この露頭の岩質を「暗灰色,無斑晶質の岩石で、流理構造が発達している。一部に径40cm前後の枕状溶岩を数個含有する。鮫島(1970)は,この岩石をSiO2量が約51%のカンプトナイト(粗面玄武岩⇒多孔質もあるらしい:引用者追記)としている。」と書かれている。残念ながら判断材料は無いが思い出したので追記した。

2009年12月23日水曜日

神奈川県横須賀市平作(6)

枕状溶岩の近くに建てられている説明です。最初に御紹介した露頭全体の画像と全く違うように思えるのは私の思い込みでしょうか?折角きちんとした調査報告書も公表されて居る事だし、その中には露頭をカッティングした後のスケッチだって有るのだから、同じ経費をかけるのならもう少しまともな説明板を設置して欲しいものです。大体、枕状溶岩の露頭に置かれた説明板で「なるほど!」と感服するようなのに殆ど出合った事が有りません。地学教育を疎かにしてしていることがこんな所にも現れるのでしょうか?

2009年12月22日火曜日

神奈川県横須賀市平作(5)


前の画像の一部を接写拡大したものです。これも放射状節理の様子が綺麗に見える模式的標本です。放射状節理は中央までは繋がらず、中央部は別の冷却構造だったと思われます。未だ少し動いていたのでしょう。
枕状溶岩は比較的断面がスパット切れたように見えるケースが多いですが、ここでは調査時にダイヤモンドカッタで整形をされたようです。

2009年12月21日月曜日

神奈川県横須賀市平作(4)


前の画像で御紹介した枕状溶岩の右側に見えていたものです。表面が整形されているので大変見易くなっています。次の画像ではこの中央と言ってもやや右よりの下側の岩片の拡大画像をご紹介します。
ここでは周囲をコンクリートで覆っただけの様ですが、最近は透明な固化材で自然の風景そのままに出来るそうで驚きました。水ガラス単体ではとても強度が出ないし、セメントミルクなどと混ぜると不透明になるし、保護された露頭に雑草や黴が生えているのを観ると、もう少し気の利いた保護法方は無いものか?と思っていましたが、既に有るようなので驚いた次第です。

2009年12月20日日曜日

神奈川県横須賀市平作(3)


>最大の岩片の右上部分をクローズアップ。放射状節理が鮮明に見える。それと共に放射状節理が岩の中心部まで到達していない事に注目して頂きたい。放射状節理が中央まで貫いていると信じ込んでおられる方々が多いが、枕状溶岩で中心部まで放射状節理が貫いているのは、枕状溶岩の先端部で固まった部分を除くと殆ど無い。大型の溶岩では内部の流動の為に少ない。
尚、岩質は橄欖石玄武岩。