出典は「2004年台風10号による豪雨で発生した徳島県南部那賀川流域の斜面崩壊」論旨
此処には「もっとも大規模な崩壊で,土砂の流下距離2km,比高500m,崩壊幅300m 程度である.崩壊深は数m と薄い.地質はほぼ緑色岩からなる.滑落崖が2 つ認められ,東側の滑落崖は高角の節理に沿ったくさび状崩壊,西側の滑落崖は枕状溶岩の角礫化した風化部が剥落したと推定される.今回の崩壊堆積物の下位には,マトリックスが褐色化した古い崩壊堆積物が認められる.この堆積物中に含まれるチャートや石灰岩の岩塊(径3~5m)は,今回の崩壊の対岸の尾根起源と推定される.これらの石灰岩・チャートの岩塊の一部は,今回の崩壊土砂に巻き込まれて流下した.ここでは2 名の方が犠牲となった。」と記されている。また「緑色岩分布域で発生した斜面崩壊は,もともと自破砕状を呈する枕状溶岩が風化によりブロック化・角礫化していたため,強度の低下と透水性の増加を招いたことが地質的素因と推定される.」と結ばれている。
尚、本件については2005年に徳島大学総合科学部自然科学研究 第19巻49-61頁に「2004年台風10号に伴う豪雨により徳島県那賀川流域で発生した斜面崩壊の地質・地形的特徴」が公表されており、51頁に「第1図 坂州木頭川周辺(旧木沢村)における斜面崩壊の分布」図が示されている。木沢村では枕状溶岩の存在は既に記載されている。
当初、露頭位置(崩壊位置)を論旨に掲載された「大用知」から下記としたが、論文記載の詳細図ではこの地点と「六郎山:標高1287.3m」との中間の渓谷が正しいと思われる。但し、論文に添付された画像から崩壊地の傾斜は急でありアクセスは容易では無いと思われる。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=335024&l=1341646
久し振りに露頭情報をUPする事が出来た。データは3個のエクセルファイルに主要部分とネットで入手可能な文献リストとネット情報のアドレスに別けて保存しているので、これをテキストファイルに書き換えるだけなのだが、念の為最新情報を確認しながらなので、結構手間が掛かるのです。
これまで公表したデータも全く読まれていないものも多いのだが、なんとか全部のデータを公表しておきたいと考えて居ます。ゆるりと御付き合い下さい!
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