1/50,000 「大社地域の地質」を参照。「Ⅲ.3. 牛切層 流紋岩 21頁 第18図 水冷破砕された牛切層安山岩熔岩:岩片や基質はガラス質, 23頁 第22図 猪目東方海岸に見られる牛切層流紋岩の産状 24頁 第23図 猪目海岸の牛切層流紋岩のローブの断面 滑らかな閉曲線を描く 57/58頁 第Ⅴ&Ⅵ図版 牛切層の流紋岩枕状溶岩 枕状溶岩ローブ」とある。場所は湾の東側。西側は大きな洞窟が天然記念物。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=352631&l=1324240
2010年夏に此処を歩いたが、残念ながらもう少しの処で水位が高く、砂浜から先に行けなかった。どうやら此処は画像を紹介するのを失念していた様だ。この突き出した部分は泳がないと行けないのだが、この先の辺りがいい露頭かなと思っている。流紋岩の隙間にはメノウが生成していて美しかった。念の為地質図の記載を少し引用する。
「猪目から河下にかけて分布する流紋岩(第20図)は、それが水中に噴出した事をものがたる見事な産状を示している。(第21、22図)。すなわち、水冷安山岩溶岩の上にガラス質軽石様岩片に富む火山角礫層、枕状溶岩、枕状溶岩片、ハイアロクラスタイトに富む層、正常級化または逆級化し成層した火山角礫層が順次重なる。
基底部の火山角礫層中の軽石様岩片は気孔に富み、ジグソーパズル様の割れ目が発達する。枕状溶岩は舌状の塊状溶岩から漸移する(第22図,第 V 図版).枕状団塊はガラス質で径数10cm内外(第 V 図版).内部に放射状節理が(第 V 図版),表面には流動方向に延びたしわと節理が認められる(第 V 図版).
しわは特に枕状団塊と枕状団塊の間のくびれで明瞭である.節理はそれとほぽ直交する方向にもあり,あたかも熱した飴をひきずるようにその割れ目を境に分断された枕がくびれを作りながら前方にせり出している例が多い(第 V 図版).枕と枕の間にはガラス質の破片がつまっている.
枕状溶岩とその上の枕状溶岩の破片やハイァロクラスタイトの中には最大径5~6m位のガラス質溶岩の塊が認められることがある(第21図).その根元は見えないが,恐らく溶岩から分岐し浅所貫入してきたいわゆるロープであろう.主体は流理の発達したガラス質流紋岩(第 V 図版)でそれを厚さ1~1.5mの黒色真珠岩の皮殻が取り巻く(第23図,
第 V 図版).内部のガラス質流紋岩のうち縁辺部の幅50~60cmのところでは径数mm~20cmのめのうに充填された気孔が多数認められる.ロープの延びの方向と直交する断面で流理を見ると外形に平行な閉曲線をなしていることが分かる(第 Ⅳ 図版).
枕状溶岩の破片やハイアロクラスタイトを主とする層は枕状溶岩と漸移関係にある.また,これに童なる正常級化又は逆級化した層は,火山角礫一火山礫を主とし淘汰が悪く,細粒物や異質物をほとんど含まないことから,直下のハイア回クラスタイトや枕状溶岩片などが移動・再堆積したものだといえよう.」
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